在米日系企業の黒字見込みは6割弱、今後の事業拡大企業は2019年の水準上回る

(米国)

米州課

2021年12月17日

ジェトロは12月17日、2021年9月に実施した海外進出日系企業実態調査の北米編を発表した。「新型コロナ禍」からの経済再開により、2021年に営業黒字を見込む在米日系企業の割合は59.2%となり、前年度調査の47.1%から12.1ポイント増加した。しかし、2019年の水準(66.1%)には達せず、リーマン・ショック直後の2010年(70.2%)と比べると回復ペースは鈍い。

営業利益見込みを業種別でみると、米国内需要の回復や増加により、食料品(83.9%)や販売会社(80.8%)、運輸業(80.0%)の黒字見込みは8割以上となった。一方、行動制限による需要減や半導体不足による工場の操業停止を受けて、旅行・娯楽業(赤字見込み64.3%)や自動車等(同54.5%)、自動車等部品(同51.6%)で赤字見込みの割合が5割を超えた。

景況感DI値は全業種で改善

2021年の営業利益見込みが前年比で改善する企業は51.6%と半数を超え、前年(16.8%)から34.8ポイント上昇した。景況感を示すDI値(注)は34.7となり、前年(マイナス42.0)から大幅に改善した。業種別でDI値をみると、全ての業種で前年から改善しており、特に小売業(148.0ポイント増)や不動産・賃貸業(142.0ポイント増)、鉄・非鉄・金属(117.2ポイント増)などで100ポイント以上改善した。営業利益見込みが改善する主因としては、「現地市場での売上増加」が69.8%となった。営業利益見込みの前年比増減幅をみると、「横ばい」が3割強(31.5%)を占め、「1~5割増」が24.0%で続いた。

他方、2021年の営業利益見込みを「新型コロナ禍」前の2019年と比較すると、「改善」が39.3%、「悪化」が32.8%となり、3分の1弱の企業では営業利益見込みが「新型コロナ禍」前の水準までは戻っていなかった。

今後の事業拡大検討企業は2019年の水準を上回る

今後1~2年の事業展開について聞いたところ、事業の「拡大」を検討する企業は48.1%となり、「新型コロナ禍」前の2019年(47.5%)の水準を上回った。業種別では、食料品(74.2%)や精密・医療機器(70.0%)で7割以上となった。拡大する理由としては、「現地市場での売上増加」(89.6%)が筆頭要因となり、拡大する機能としては、「販売機能」(65.4%)、高付加価値生産(35.1%)、汎用品生産(20.1)が上位に挙がった。

事業戦略の見直しについて聞いたところ、販売戦略の見直しを予定する企業は27.3%で、見直し内容は「販売価格の引き上げ」が52.0%で上位になった。調達の見直しを予定する企業は23.2%で、見直し内容は「調達先の見直し」が82.3%を占めた。変更対象と変更後の調達先はどちらも米国が上位(それぞれ43件、45件)となった。生産の見直しを予定する企業は18.9%にとどまり、見直し内容は「新規投資/設備投資の増強」(59.0%)が上位となった。

今回の調査は2021年9月に実施し、米国に現地法人(日本からの直接投資または間接出資比率が10%以上)や日本企業の支店として拠点を構えている企業1,697社が対象。うち851社(製造業488社、非製造業363社)から回答を得た。調査は1981年から毎年実施しており、今回で40回目(2014年は実施せず)。調査結果の詳細はジェトロのウェブサイトに掲載されている。

(注)Diffusion Indexの略で、営業利益が「改善」する企業の割合から「悪化」する割合を差し引いた数値。

(大塚真子)

(米国)

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