入国後の隔離期間を短縮、ワクチン接種者は3日間に

(ベトナム)

ホーチミン発

2021年12月21日

ベトナム保健省は12月16日、公文書10688/BYT-MTにより、2022年1月1日以降のベトナムへの入国について、新型コロナウイルスのワクチン接種完了者および感染から回復した人については、入国後の強制隔離期間を短縮し、現行の7日間から3日間とすることを決定した。

同文書によると、ワクチン接種完了者および感染から回復した人については、入国後の3日間は自宅やホテルなどでの隔離が必要で、外出や他者との接触は認められない(注1)。入国後3日目に受けるPCR検査の結果が陰性であれば、健康観察期間(入国日から起算して14日間)に移行する。なお、ワクチン接種証明書や、新型コロナウイルスの疾患から回復したことを確認できる証明書については原則、現行の取り扱いから変更がなく、引き続き必要となる(2021年8月6日記事参照)。

また、ワクチン接種の未完了者についても、入国後の隔離において3日目および7日目に受けるPCR検査の結果が陰性の場合、健康観察期間(同上)に移行することとなり、強制隔離期間は、現行の14日間から7日間に短縮される。

その他、入国時の一般要件として、出発前の72時間以内に発行された陰性証明書(RT-PCR検査/RT-LAMP検査によるもの)の提出(注2)や、入国前にスマートフォン用アプリ「PC-COVID」による医療申告が必要となる。

ベトナムでは、現時点(12月20日現在)でオミクロン株は確認されておらず、オミクロン株に関する具体的な入国制限措置は取られていない。ただし、地方省・市によっては、独自にオミクロン株感染国からの入国規制措置を検討する動きもあり、今般の隔離期間短縮措置については、地方省・市政府の運用状況を注視する必要がある。

2022年1月1日から国際旅客定期便を試験的に再開

ベトナム政府は、12月10日付の公文書334/TB-VPCPにより、2022年1月1日から日本を含む9カ国・地域(11都市、注3)との間で、国際旅客定期便の運航を試験的に再開する計画を示している。「ウィズ・コロナ」期のニューノーマル(新常態)に向けて、2022年1月から、人の往来に関する新型コロナウイルス対策規制を緩和し、経済活動の再開を推し進める方針を示したかたちだ。

(注1)現行の強制隔離(7日間)では、滞在場所がホテル(集中隔離施設)に限定されているが、新たな措置では自宅やその他の宿泊施設も選択できる。

(注2)2歳未満の子供は提出不要。

(注3)対象は、中国(北京、広州)、日本(東京)、韓国(ソウル)、台湾(台北)、タイ(バンコク)、シンガポール、ラオス(ビエンチャン)、カンボジア(プノンペン)、米国(サンフランシスコ、ロサンゼルス)の9カ国・地域の11都市。

(阿部浩明)

(ベトナム)

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