ニューデリーで日本酒PR・商談会を相次いで実施

(インド、日本)

ニューデリー発

2021年12月21日

酒類見本市「Vinexpo India」が12月9~11日、インド・ニューデリーのプラガティ・マイダン展示場で開催された(食品見本市「SIAL India」と併催)。インドの日本酒愛好者コミュニティー「サケ・クラブ・インディア」が、北海道、青森、岩手など計10蔵元の日本酒を取りまとめて出展し、PRを行った。

会場内では、インドにおける日本酒の普及・啓発のため日本酒セミナーが行われ、サケ・クラブ・インディア共同創立者のラビ・ジョシ氏と江岡美香氏が、試飲提供とともに日本酒の特徴や料理とのペアリングなどを紹介した。セミナーの後、江岡氏は「『新型コロナ禍』以降、インドへの渡航やリアルでのPRは難しい状況が続いていた。若い世代の酒類流通事業者や飲食・ホスピタリティ関係者が意欲的にこの展示会に多数来場してくれ、関心が非常に高いことを体感した」と、展示会の手応えがあったことを強調した。

また、12月13日には、ジェトロがニューデリー事務所において、インド向け販路開拓支援のため、在インド酒類インポーター6社と、鳥取県の酒造業者7社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのオンライン商談会を開催した。これは、ジェトロ鳥取貿易情報センターの「地域貢献プロジェクト」の一環として実施したものだ。商談会は、ニューデリーの会場と、鳥取の各酒蔵をオンラインでつなぐかたちで行なわれた。鳥取からの参加者は、インドでの展開に向けヴィーガン認証を新たに取得して商談に臨んだ。インド・バイヤーからは「近年、インドでも和食が広がっているため、日本酒の消費も増えることが期待される。現在、まだ特定の人しか、日本酒に関する知識がないため、継続的かつ組織だった情報提供と教育が必要だ」との感想が寄せられた。

インドへの日本酒輸出には、添付書類として分析証明書が必要となるが、2020年の制度変更によりISO17025に準拠した分析証明書が必要になっている(インド食品安全基準局(FSSAI)通達PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)参照)。この新しい分析証明書の制度と対応をめぐって、インド側で日本酒の通関に問題が生じており、輸出時の課題となっている。本件については、解決に向け在インド日本大使館が、インド食品安全基準局(FSSAI)と交渉を行なっている。

写真 Vinexpoでの日本酒セミナーの様子(ジェトロ撮影)

Vinexpoでの日本酒セミナーの様子(ジェトロ撮影)

写真 オンライン商談会の様子(ジェトロ撮影)

オンライン商談会の様子(ジェトロ撮影)

(酒井惇史)

(インド、日本)

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