インドネシア、メルコスールと包括的経済連携協定の交渉開始で合意

(インドネシア、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、メルコスール)

アジア大洋州課

2021年12月24日

インドネシア商業省は12月16日付のプレスリリースで、メルコスール(注)共同市場理事会での会合(オンライン形式)の結果、インドネシア・メルコスール包括的経済連携協定(CEPA)の交渉を2022年に開始することで合意したことを発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。同省によると、2022年第1四半期(1~3月)の交渉開始を目指す。ムハマド・ルトフィ商業相は10月14日、CEPAの予備協議が進展していることを明らかにしていた(2021年10月21日記事参照)。

今回の交渉開始合意に当たり、インドネシアとメルコスールは12月9日、交渉範囲などを定めたスコーピング・ペーパーについても合意していた。インドネシア外務省の発表(12月15日)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、交渉の範囲として、物品、サービス、投資、政府調達(協力・透明性確保のみ)、衛生植物検疫措置(SPS)、規格技術規則と適合性評価手続き、知的財産、中小企業、紛争解決などが含まれる見込み。

商業省によると、2021年1~9月のインドネシアとメルコスールの貿易額は、約47億8,000万ドルで前年同期比12.8%増加した。このうち、インドネシアからの輸出が約13億8,000万ドル、メルコスールからの輸入が約33億9,000万ドル。インドネシアからメルコスールへの主な輸出品(2020年)は、ココナッツ、パーム核、パームヤシ、天然ゴム、自動車部品。メルコスールからは油かす、小麦・メスリン、サトウキビ・てん菜糖、綿、トウモロコシなどを輸入している。

ルトフィ商業相はプレスリリースで「(新型コロナウイルスの)パンデミックの中、経済再生を促す上で適応力と現状打破が求められる」とし、「CEPAを通じてインドネシアとメルコスールが経済を刺激し、バリューチェーンを広げ、双方の市民の繁栄を高める」と述べ、今回の合意が同国・地域のビジネス関係の発展を促すことを強調した。

(注)アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイが正式加盟国。

(山城武伸)

(インドネシア、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、メルコスール)

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