上院、2022~2024年の連邦予算案を可決

(ロシア)

モスクワ発

2021年12月03日

ロシア連邦上院は12月1日、2022年~2024年の連邦予算案を可決した。2022年の歳入は前年(見込み)比5.2%増の25兆219億ルーブル(約37兆5,329億円、1ルーブル=約1.5円)、歳出は同1.5%減の23兆6,942億ルーブル、収支は1兆3,277億ルーブル(GDP比1%)の黒字を見込む(添付資料表参照)。予算案ベースでは2年ぶりの財政黒字化となる。

歳入増の背景には、a.新型コロナウイルス感染拡大の経済面への影響の縮小、b.世界経済の回復によるエネルギー資源価格の比較的高い水準での推移、c.それに伴う石油天然ガス収入(注1)の増加などがある。その一方で、2023年以降は徐々に石油天然ガス収入は減少し、付加価値税など非石油天然ガス分野の税収が増加することを予測している。世界的な化石燃料使用の削減、ロシア国内の天然資源採掘関連税制の変更による収入減を見越したもの。

歳出を項目別でみると、社会政策費が5兆8,400億ルーブルと歳出の4分の1を占め、最多の支出項目となった。上院では、小児用病院や地方の道路整備などの社会インフラ向けの予算が増額となった。上院に先立って11月中に行われた下院の審議では、ウラジーミル・プーチン大統領が提案した最低賃金と最低生活限度額の8.6%引き上げ分が盛り込まれた。それ以外の項目では、国防費(3兆5,100億ルーブル)、経済対策費(3兆4,600億ルーブル)が続く。

国家プロジェクト(注2)関連支出は増加を見込む。2022年予算案では、前年(歳出見込み)比16.1%増の2兆7,400億ドルが計上された。人口対策、保健、輸出促進、経済のデジタル化、環境などを中心に支出拡大が見込まれる。国家プロジェクトは、新型コロナウイルス対策経費の支出増などにより2020年に予算の見直しや計画実行の後倒しが行われていた。

本法案は今後プーチン大統領の署名を経て成立する。

(注1)主に鉱物資源採掘税、輸出税で構成される。

(注2)プーチン大統領が2018年5月に発表した14分野にわたる2024年までの内政目標。国民生活向上、社会インフラ整備など幅広い分野が対象(2019年2月12日記事参照)。

(梅津哲也)

(ロシア)

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