第3四半期のGDP成長率は前年同期比8.1%、2期連続で高い伸び

(ルーマニア)

ブカレスト発

2021年12月24日

ルーマニア統計局(INS)は12月7日、2021年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率(季節調整済み)を発表した。前期比で0.4%、前年同期比では8.1%だった(添付資料表1参照)。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2020年第2四半期(4~6月)から4四半期連続で対前年同期比がマイナスを記録していたが、2021年第2四半期以降はプラス成長が続いている。今期は、2020年第3四半期の対前年同期比の減少幅(マイナス5.1%)を上回る増加幅(8.1%)となり(これも2期連続)、「新型コロナ禍」前の水準を上回る景気回復を印象付けた。

名目GDPを産業別にみると、鉱工業、電気・ガス・水道がGDP総額の19.6%と最大のシェアを占めた。寄与度では、農林水産が2.6ポイント、卸・小売りが1.8ポイントと高かった(添付資料表2参照)。

国家予測委員会は2021年通年の成長率予測を7%に据え置いたが、大手銀行のエコノミストは、特に小売業で、8%に達した高いインフレ率や、ワクチン接種または回復を証明する「EUデジタルCOVID証明書」の提示義務導入により、来店客が減少して消費が抑制されることから、2021年通年の成長率は6.1~6.5%に下がるとの見方を示している。

(ミンドル・ユニアナ、西澤成世)

(ルーマニア)

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