輸送費の高騰にとどまらず、輸送手段の確保も困難に

(トルコ)

イスタンブール発

2021年12月15日

新型コロナウイルス感染拡大の影響で顕著となっている国際物流の混乱と輸送費の高騰について、ジェトロが12月3日に在トルコの日系物流会社にヒアリングしたところ、トルコを含む欧州向けの物流サービスは、中継地シンガポールの混雑とそれに伴う遅延が顕著に見られ、輸送費も高止まりが続いている。また、中国欧州鉄道を活用しようとしても、混雑が激しくてブッキングが取りにくかったり、中国・カザフスタン国境での台車交換を含むオペレーションの作業負荷調整のため、受託停止が折々発生しているという。一方で、対中貿易を中心とした混雑や、新型コロナウイルス対応の影響でリードタイムの長期化も顕著だった米国西海岸の港では、長期滞留コンテナへの課徴金が課されるとの見方もあり、滞留コンテナが減少し、戻ってきた空コンテナの船積み促進が図られている。しかし、コンテナ繰りの迅速化、引いてはコンテナ需給のアンバランスの解消には至っていないという。

航空貨物についても、定期便・チャーター便ともに需給が逼迫しており、運賃は高止まりしている。12月初旬の段階で、2021年内出発のブッキングも困難な状況にあるとのことだった。他方、欧米の主要空港では貨物取扱量が増加傾向にあり、旅客便の復活も緩慢なことから、旅客機を貨物便に改造した旅客機貨物便の運航が常とう化しているが、現在では、昨今の新型コロナのオミクロン変異株検出への対応による渡航制限や、フライト減による逼迫状況の加速も懸念されている。

トルコ発のコンテナやトラックでの輸出については、通貨トルコ・リラの減価が追い風となっている一方で、欧州などからの戻り賃がない点や、輸入本船の遅れと相まって、輸送機材の確保難につながっている。需給バランスの逼迫が恒常化しており、高騰した貨物輸送料は2022年前半も改善する見込みは立っていない。北米のサプライチェーン状況の改善が見込めない状況では、機材繰りや貨物輸送量高騰は長引くとの見解が前面に出てきているという。このため、安定した年間契約ではなく、スポット契約が中心となっている印象があるようだ。

こういった中、ヒアリングした日系物流会社は客先と協議を行いつつ、以下のような柔軟な対応を進めている。

  • コンテナの調達やスペース確保が難しいこともあり、船会社各社がブッキングのキャンセルや変更も課金対象としているため、これを回避すべく、ブッキングを極力決め打ちとし、変更をかけないようにする。
  • 必要なコンテナタイプや本数が取れない場合でも、柔軟にブッキングの手配を進めること。例えば、40フィートコンテナが欲しくとも、20フィートが調達可能ならば、それを確保する。
  • 希望本船が取れずにブッキング確保までのリードタイムがかかる可能性と、従来の本船スケジュール順守率100%に対して目下は30~40%前後の順守率にあることを念頭に置き、公表スケジュールよりも2~3週間は余計にかかるとの前提で、余裕をもって計画を立てる。
  • 本船のスケジュール変更で抜港された場合でも、代替港からの積み込みに柔軟・迅速に応じる。
  • 航空貨物でも、ブッキングが取れるまでのリードタイムの長期化を織り込む。

(中島敏博)

(トルコ)

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