「ウィズコロナ」第2段階への移行を延期、接種証明に6カ月の有効期限を設定

(韓国)

ソウル発

2021年12月02日

韓国の保健福祉部は11月29日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領主宰の「コロナ19対応特別防疫点検会議」で「コロナ19段階的日常回復による医療および防疫後続対応計画」(以下、「対応計画」)を発表した。

会議では、11月1日から実施されている「ウィズコロナ移行計画」(2021年11月5日記事参照)第1段階の評価について、全国的な危険度が「非常に高い」とした(注1)。この要因として、(1)60歳以上の高齢者の感染および重症者の増加、(2)ワクチン未接種の13~15歳の感染増加、(3)11月1日から実施されている社会的距離確保の緩和に伴う人流の増加、(4)感染者全体に占めるクラスター感染の割合の減少による特定施設を中心とした防疫対策の効果の低下、などが挙げられた。この評価を踏まえ、対応計画が決定された。主な方針は以下のとおり。

1.基本的方向

最近の感染者の急増などを考慮し、第2段階への移行を留保し、ブースター接種の効果が表れる前の4週間は第1段階の水準を維持する。

2.医療体制

医療体制については「在宅医療」を原則とし、在宅医療が不可能な場合のみ医療機関に入院する。

3.高齢者へのブースター接種の早期実施など

12月中は60歳以上の高齢者のブースター接種の集中期間とする。また、12~17歳へのワクチン接種の事前予約を2022年1月22日まで延長し、積極的なワクチン接種を促す。さらに、18~49歳に対しては、ワクチン接種完了後5カ月(150日)後にブースター接種を開始する。対象者は2021年12月2日から事前予約が可能となり、12月4日から接種を開始する。

以上のほか、防疫措置の再導入(私的な集まりの制限、食堂・カフェに入店する際のワクチン未接種者の制限など)についても議論されたが、結論には至らず、引き続き世論を収集するとした。また、「ワクチン接種証明・陰性確認制」(防疫パス)については、ワクチン接種後の効果が時間の経過とともに逓減することから、防疫パス発行時に6カ月の有効期間(注2)を設定するとした。

(注1)11月第4週の1日当たり平均新規感染者数は3,502人、死者数は248人、重症患者病床使用率は70.6%。

(注2)12月20日発行分から適用される予定。

(当間正明)

(韓国)

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