第3四半期の失業率は8.2%、5四半期連続で改善

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2021年12月24日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は12月22日、2021年第3四半期(7~9月)の世帯アンケート(EPH)に基づく労働力調査の結果を発表した。それによると、同期の完全失業率は8.2%で、前期比で1.4ポイント減、前年同期比3.5ポイント減で(添付資料表参照)、5期連続で改善した。

第3四半期は前期とは異なり、労働力人口(注)と就業率も改善、雇用環境が回復している。マルティン・グスマン経済相は「雇用環境の力強い回復は主に民間部門によるもの。第3四半期では42万2,000人の雇用が創出され、(国内の)生産と投資部門の再活性化を示している」と述べた。

同期の完全失業率を男女別にみると、男性が7.7%で前期比1.3ポイント、女性は9.0%で同1.4ポイント、それぞれ改善した。性別・年齢階層別にみると、14歳から29歳までの女性が18.0%で4.4ポイント減と大幅に改善したものの、失業率は依然として高い水準にある。同世代の男性は16.6%で前期比0.5ポイント悪化した。

INDECの調査は、国内31都市圏の人口約2,890万人を対象に実施しており、調査上の完全失業者数は110万人。しかし、全人口を基に計算した場合、完全失業者数は170万人以上となるとの試算結果が報じられている(12月22日付現地紙「エル・クロニスタ」電子版)。

政府は12月31日を期限に、正当な理由のない解雇と休職の強要を禁止する措置〔必要緊急大統領令(DNU)39/2021号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕を2020年3月に、退職金の割り増し義務(政令34/2019号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を2019年12月に導入した。これらの措置は企業による解雇を防ぎ、完全失業率の低下に寄与していたとみられるが、クラウディオ・モロニ労働相は、期日どおりに終了させる意向を示していた。しかし、12月22日時点で明確な情報はなく、延長の可能性が高いとの見方も出てきた。

(注)14歳以上で働く意思と労働可能な能力を持った人。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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