新型コロナ・オミクロン株の感染者増加、入国停止措置を10日間延長

(イスラエル)

中東アフリカ課

2021年12月14日

イスラエルでは11月26日に、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の国内初の感染者が確認されていたが(2021年12月1日記事参照)、保健省によると、12月11日時点で同感染者が55人に増加したという(「エルサレム・ポスト」紙12月12日)。うち36人が外国からの入国者で、11人はそれら入国者との濃厚接触者、8人は市中感染者とした。その他の51人についても、オミクロン株への高い感染可能性が疑われるとしている。

ナフタリ・ベネット首相はこの状況に対して「2つの国家戦略がある」と述べ、「1点目はオミクロン株のイスラエルへの侵入を可能な限り遅らせること、もう1点は(ワクチン接種推進により)イスラエル国民の免疫を高めること」だとした。

2つの戦略のうちの前者については、保健省は11月29日から12月12日まで約2週間としていた全ての外国人の入国停止措置をさらに10日間延長すると発表した(9日付首相府外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。また、帰国者についても、ワクチン接種の有無にかかわらず、保健省長官の命令がある場合は隔離期間の延長を行うとし、アフリカを中心とした高リスク国(レッド国)からの帰国者については、国の指定施設での隔離を実施するとした。

後者のワクチン接種では、イスラエルの研究チームが12月11日、ファイザー・ビオンテック製ワクチンの3回目接種がオミクロン株の中和に効果を発揮したとの研究結果を発表したと報じられている。12月12日付「タイムズ・オブ・イスラエル」紙によると、現地のシェバ・メディカル・センターは少人数での比較結果として、2回目接種から5~6カ月経過した者にはデルタ株の予防効果はあるものの、オミクロン株の中和能力はほとんどなかったとしたが、それと比較すると、3回目接種後はかなりの予防効果や重症化を防ぐ効果を発揮したと発表し、追加接種の意義を強調している。

(米倉大輔)

(イスラエル)

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