11月のインフレ率、前年同月比10.74%に上昇、政策金利は1.50ポイント引き上げ

(ブラジル)

米州課

2021年12月24日

ブラジル地理統計院(IBGE)は12月10日、代表的な物価指数である拡大消費者物価指数(IPCA)の11月の上昇率が前月比0.95%だったと発表した。11月単月のインフレ率としては2015年以来最も高かった。前年同月比では10.74%で、2003年11月以来18年ぶりの高水準となり、ブラジル中央銀行が設定する年間のインフレ目標値(2.25~5.25%)の上限を9カ月連続して大幅に上回った(添付資料図参照)。

前月比の上昇率を費目別にみると、最も上昇率が高かったのは交通・運輸(3.35%増)で、物価全体への増加寄与度も最も高かった(0.72ポイント、添付資料表参照)。国際的な原油価格の高騰を受けた燃料価格の上昇などが押し上げ要因になった。具体的には、ガソリン価格は7.38%上昇し、増加寄与度は0.46ポイントと個別品目の中で最も高かった。エタノール価格も10.53%、ディーゼル価格は7.48%上昇した。

前年同月比でみると、ガソリン価格は50.78%増、エタノール価格も69.40%増、ディーゼル価格も49.56%増と、いずれも大幅な上昇をみせている。

その他、前月比の上昇率が高かった項目は、住居関連(1.03%増、注1)と家庭用品(1.03%増)だった。

寄与度でみると、住居関連が0.17ポイント、家庭用品が0.04ポイントで、住居関連がより全体の物価上昇に寄与した。降雨量不足による干ばつの影響を受け、前月に引き続き電気代金が上昇(1.24%増)したことなどが押し上げ要因となった。ブラジルでは現在、電気代の追加料金は水力発電所のダム貯水量や火力発電所の稼働率を基に算定している。追加料金は「緑」「黄」「赤1」「赤2」の4段階の色で示し、「緑」だと追加料金はないが、「黄」の時は100キロワット時(kWh)当たり1.34レアル(約27円、1レアル=約20.2円)、「赤1」は4.16レアルが追加徴収される。「赤2」は9月に追加料金が引き上げられ、14.20レアルとなっている(注2)。

一方、保健・個人衛生品は0.57%減と前月比で物価が下落した。マスクなどの個人衛生用品価格(3.00%減)や香水の販売価格(10.66%減)の低下が押し下げ要因となった。同じく前月比で価格が下落した飲食料品(0.04%減)では、菓子類の販売価格下落(3.37%減)などが主に寄与した。

なお、ブラジル中央銀行は12月7、8日の金融政策委員会(Copom)で、予想以上にインフレが進んでいる状況を受けて、政策金利(Selic)を7.75%から9.25%に1.50ポイント引き上げている。今回で7会合連続の利上げとなった。中銀は2022年2月1、2日に予定している次回Copomで追加利上げの可能性も示唆している。

(注1)光熱水道費・家賃など。

(注2)「赤2」の14.20レアルの追加料金は2022年4月まで適用される予定。

(高氏朋佳)

(ブラジル)

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