変異株オミクロン対策としての国境措置を否定、ワクチン接種と感染予防策を推進

(メキシコ)

メキシコ発

2021年12月01日

メキシコの新型コロナウイルス感染対策を指揮する連邦保健省のウゴ・ロペス-ガテル予防健康促進担当次官は11月30日の早朝記者会見において、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン」の流入阻止を目的とした国境措置の適用を明確に否定した。「オミクロン」が他の変異株と比べて実際に感染力が強く、感染した患者が重症化することなどについては現時点で科学的に証明されておらず、また、既存のワクチンが「オミクロン」に対して効果がないという結論が出たわけではないとし、内外の報道に惑わされることなく、冷静な対応を国民に促した。

その上で、世界保健機関(WHO)が警告しているように、国際航空便の発着制限や特定国の居住者に対する国境措置の導入は、感染防止の観点から明確な効果が科学的に立証されておらず、人々の福祉や経済活動に深刻な影響を与えるだけだとし、メキシコ政府はそのような対策を導入する考えがないことを明らかにした。なお、既にオミクロン株の感染が世界5大陸で確認されている状況を受け、デルタ株の際と同様、各国の国境措置の導入にかかわらず、新株はいずれ世界中に広がることは間違いなく、メキシコにもいずれ流入することを覚悟しなければならないと語った。

「新型コロナ禍」で過去に一度も国境措置を導入せず

メキシコでは「新型コロナ禍」で過去に一度も国境措置を導入しておらず、どの国の居住者もメキシコに自由に入国できる。入国に際して陰性証明書が求められることもなく、ワクチン接種証明書も必要ない。入国後の強制隔離や自宅待機についても法的な規制は全くなく、企業や個人が自らの判断基準の下で自宅待機などを行っている。

メキシコ政府は、一貫して国境措置の意義を否定しており、国内における感染抑制策を重視している。各州の規制により導入されているソーシャルディスタンスの確保やマスク着用義務、体温チェックや手先の除菌の励行などの基本的な衛生対策に加え、連邦政府が力を入れているのは国民に対するワクチン接種の推進だ。11月29日までにワクチンを1回でも受けた国民は7,668万5,147人で18歳以上の成人人口比85.7%、所定回数接種済みは6,497万1,111人で同72.6%だ。11月24日以降は15~17歳の未成年に対する接種を開始した。アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領の11月30日の発言によると、60歳以上の高齢者に対するブースター接種が検討されているが、その前に農村地帯に多いワクチン未接種の国民への接種完了を優先させるとしている。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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