同性婚を認める法案が国会で可決、中南米で8カ国目

(チリ)

サンティアゴ発

2021年12月13日

同性婚を認める法案が12月7日、チリ国会で可決された。2017年のミチェル・バチェレ前大統領の時代に国会に提出された同法案は、2021年6月、セバスティアン・ピニェラ大統領の任期最後となる教書演説の中で、政府が推進する課題の1つとして掲げられたことで、国会での審議の緊急性が高まった経緯がある。一方で、現政権を構成する中道右派の与党は、もともと同性婚の合法化には反対の姿勢を示していたため、ピニェラ大統領の発表は派閥内に混乱をもたらした。法案の可決に至った投票でも、賛成票を投じた与党議員はごく一部にとどまり、そのほとんどは反対票、欠席、無投票のいずれかの手段によって政府との見解の不一致を示した。

ピニェラ大統領は、国会での可決から2日後の12月9日に同法案を公布した。官報掲載日から90日後に、法律としての施行が開始される。ピニェラ大統領は「今日制定した同性婚を認める法により、性的指向に関係なく、希望する全てのカップルは、必要な全ての尊厳と法的保護を備えた上で結婚し、家族を形成することができる」とコメントした。中南米で既に同性婚を認めている国は、ブラジル、アルゼンチン、コロンビアなどで、チリは8カ国目となる。

(岡戸美澪)

(チリ)

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