コンテナ不足・運賃高騰などの影響続く物流、日系輸送会社に聞く

(バングラデシュ)

ダッカ発

2021年12月23日

「新型コロナ禍」で続く世界的なコンテナ不足による輸送の遅延と運賃高騰は、バングラデシュ進出日系企業にとっても依然として大きな懸案の1つとなっている。ジェトロはバングラデシュ日本通運の担当者に、物流の現状と同社の取り組みについて聞いた(12月7日)。

(問)海上輸送の現状について。

(答)バングラデシュ~日本間の海上輸送に要する時間は、海運会社の公表スケジュールで3~4週間。しかし実際には、経由する港で貨物が2~4週間留め置かれるケースもあり、平常時と比較して大幅に時間を要している。各港の混雑による遅延、それによるスケジュール修正のための寄港地変更(取りやめを含む)により、コンテナ船のスケジュールにも遅延と混乱が発生している。一方で、バングラデシュの主要港であるチョットグラム港の混雑や遅延は新型コロナウイルス感染拡大前からの課題で、大幅に悪化している状況ではないとみている。

(問)主要な貿易相手国である欧米や中国、日本とバングラデシュ間の主要経由地シンガポールの港の状況は。

(答)欧州のハブ港であるロッテルダム港やハンブルグ港の混雑は、ピークとなった2021年6~8月以降、緩和の傾向(平均で1~2日程度の沖待ち)にある。英国のフェリックストー港では、ドライバー不足などによる激しい港湾混雑が続いており、海運アライアンス「2M」などの主要船社は、同港を抜港(注)することもある。その場合は、アントワープ港などで荷揚げの後、英国の各港へフィーダー輸送しており、リードタイムの長期化が進んでいる。米国西海岸(ロサンゼルス港、ロングビーチ港)では、11月末時点で50~60隻が滞留している(入港まで平均18日~20日間要する)状況だ。上海港でも70隻ほど滞留しているが、入港までは1日程度。シンガポール港の沖待ちは2~3日程度だが、ヤード内の滞貨貨物増と港湾作業員不足による作業効率の悪化、新型コロナウイルス感染対策による港の人員不足により、ハンドリングが悪化している状況にある。

(問)航空輸送の現状はどうか。

(答)供給減と需要増の影響を受けたコスト高(平常時の3~5倍程度)に加え、旅客便の減少により運搬のスペースが限られているため、柔軟に利用できる状況ではない。現状は貨物専用便や貨物便として運航される旅客便の利用などでしのいでいるが、急を要する海上輸送からシフトする荷物などの需要増には対応しきれていない。新型コロナウイルスのオミクロン変異株による旅客便への影響も懸念され、予断を許さない状況とみている。

(問)今後の見通しは。

(答)世界的な輸送の遅延と価格高騰の解消時期についてはさまざまな見方がある。2022年の旧正月(2月)には中国の多くの工場が稼働停止すると見込まれているものの、経由港などに滞留していたコンテナは継続して輸送されるため、一時的に状況が改善するとの見方がある。一方、最も悲観的な見方として、2023年以降(新造船の航路への投入が見込まれる時期)になる可能性もあると言われている。

(問)貴社の関連の取り組みについて。

(答)バングラデシュから日本への輸送に関しては、航空輸送(ダッカ発、香港着)と海上輸送(香港発、日本着)の組み合わせ(日本通運の日本向け複合輸送AIR & SEAサービス)により、海上輸送よりリードタイムの短縮、航空輸送よりコストを多少抑えることができる可能性がある。欧米向けに関しても、ドバイを経由地とした同様の複合輸送(海上輸送:チッタゴン発、ドバイ着、航空輸送:ドバイ発、欧州、主として北米の東海岸着)の運用を進めている。一方で、日本からバングラデシュへの輸送については、上記の航空輸送の課題があり、複合輸送による対策などが困難な状況だ。

写真 チョットグラム港で沖待ちをするバルク船とみられる船の渋滞状況(ジェトロ撮影)

チョットグラム港で沖待ちをするバルク船とみられる船の渋滞状況(ジェトロ撮影)

(注)船が入港を予定していた港への寄港を取りやめること。

(山田和則)

(バングラデシュ)

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