米テック大手、オフィス再開計画を再調整、オミクロン株の感染者確認も受け

(米国)

サンフランシスコ発

2021年12月08日

オミクロン株感染者の米国内での初確認(2021年12月2日記事参照)など新型コロナウイルスをめぐる状況が変化する中、カリフォルニア州の大手テック企業では本格的なオフィス再開計画を再調整する動きがみられる。これまで、多くの企業が、2021年だけでも複数回にわたりオフィス再開時期のめどを延期するなどしてきた(2021年8月6日記事参照)。

複数の現地メディアによると、グーグルは12月2日、従業員に向けたメールで、2022年1月に予定していたオフィス再開を延期するとし、所在地の状況により各オフィスが再開日を判断すると通知した。またアップルは、世界的に新型コロナウイルス感染が再拡大する中、オミクロン株が確認される前の2021年11月時点で、オフィス再開を2022年の1月から2月へ延期すると従業員にメールで通知したと報じられている。

セールスフォースは、2021年4月時点では12月末まで在宅勤務を許可するとしていたが、9月には、オフィス再開に関してはオフィスごとに自治体や保健当局のガイダンスなどを参考に基準を設け、随時判断していくと発表した。また、従業員をオフィスに戻す際には段階的なアプローチを取るとし、全従業員が一斉に出社することはないとした。そのほか、現地メディア報道によると、メタ(旧フェイスブック)は2022年1月の再開目標を維持、アマゾン、ウーバー・テクノロジーズはそれぞれ2021年9月中の再開めどを2022年1月中に延期しており、それ以降に再延期するかどうかは明らかになっていない。マイクロソフトは2021年10月に予定していたオフィス再開を延期し、新たな再開時期は未定となっている。

長期化する企業のリモート勤務により、サンフランシスコ・ベイエリアの公共交通機関の乗車率は、新型コロナウイルス感染拡大初期の落ち込みからまだ回復し切れていない。ベイエリア高速鉄道(BART、注)の11月平日の乗客数は、感染拡大前に予想された乗客数の3割にも満たなかった。

(注)サンフランシスコ湾南側サンノゼから東側オークランドなどを経由して、サンフランシスコ市内、サンフランシスコ半島間を運行する。

(田中三保子)

(米国)

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