2022年の自動車市場は拡大、新エネ車は500万台超えの予測も

(中国)

上海発

2021年12月20日

中国自動車工業協会(CAAM)が主催する「2022年中国自動車市場発展予測シンポジウム」が12月14日に四川省宜賓市で開催された。CAAMのほか、シンクタンクや大学関係者、自動車メーカーなどが2021年の自動車市場の特徴や2022年の見通しなどについて見解を述べた。

CAAMの付炳锋副会長は2021年の自動車市場の特徴として、(1)新エネルギー車の急速な普及、(2)自動車輸出台数の急増、(3)乗用車市場に占める中国ブランド車の割合の増加で乗用車総販売台数の44%以上を占め、過去最高に達した点を挙げた。

中国自動車技術研究センターの李冰陽データ部長は、新エネルギー車市場の4つの特徴として、(1)2台目以降や買い替えのタイミングで購入する人の割合が高い、(2)女性の購入割合が高い、(3)高級ブランドの割合が高い、(4)1980年代、90年代に生まれた世代の購入割合が高い点を指摘した。その上で、2022年の新エネルギー乗用車の販売台数が480万台を超えると予測した。調査会社のIHSマークイットの林懐濱氏は、車載半導体の供給が安定すれば、2022年の自動車販売台数に占める新エネルギー車の割合は17~18%に達するとの見通しを示した。

シンポジウムでは、自動車販売台数の見通しについて、各業界団体や専門家、自動車メーカーがそれぞれの予測・見通しを発表した。

CAAMは、2021年の自動車販売台数は前年比3.1%増の2,610万台、2022年は5.4%増の2,750万台との見通しを示した。うち、2022年の新エネルギー車の販売台数は、前年比47%増の500万台にのぼると予測した。

天津大学中国自動車戦略発展研究センターの陳麗然予測研究総監は、2021年は2,522万台、2022年は2,557万台との予測を示した。車種別では、乗用車がそれぞれ2,081万台と2,139万台、商用車が451万台と417万台、新エネルギー車は308万台と450万台になると予測した。また、国務院発展研究センター市場経済研究所の王青副所長は、2022年の自動車需要は小幅な増加が続くとして、2022年の自動車販売台数は前年比3~5%増の約2,700万台と予測した。

自動車メーカーによる予測では、重慶長安汽車が2022年の乗用車販売台数を前年比6.0%増、自動車販売台数に占める新エネルギー車の割合を18.9%に達するとの見通しを示した。BYDは2022年の新エネルギー乗用車の販売台数を500万~520万台と予測。一汽解放は2022年の商用車販売台数について、中・大型トラックの需要は前年比25%減の115万台、小型トラックの需要は同5%減の212万台と予測した。

(高橋大輔)

(中国)

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