感染者増加に伴い「2Gルール」を適用開始、水際措置は一部緩和

(スイス)

ジュネーブ発

2021年12月21日

スイス連邦参事会(内閣)は12月17日、新規感染者数の増大により入院患者数が増加し、医療体制が逼迫していること、また、より感染力が高いとされるオミクロン株の感染が今後拡大する懸念があることから、各州などと協議をしていた新型コロナウイルス感染対策の強化措置を決定したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。新たな措置は12月20日から2022年1月24日まで適用される。具体的な内容は以下のとおり。

  • これまで「3Gルール」(ワクチン接種証明書、回復証明書、陰性証明書のいずれかの提示)によってアクセスが許可されていた屋内施設への入場(レストランの屋内スペース、文化・スポーツ・娯楽施設、屋内イベント)について、ワクチン接種証明書または回復証明書のみが認められ、陰性証明書は無効となる「2Gルール」を新たに適用する。300人以上が参加する屋外イベントには、引き続き3Gルールを適用する。
  • 2Gルールが適用される場所において、マスクの着用と飲食時の着席を義務付け。
  • スポーツや文化活動などでマスク着用が不可能な場合や、ディスコやバーなどの飲食時の着席が不可能な場所においては、ワクチン接種証明書または回復証明書に加え、陰性証明書の提示が必要な「2G+(プラス)ルール」を適用する。ただし、過去4カ月以内にワクチン接種を完了した者、ブースター接種をした者、感染から回復した者、16歳未満の者は陰性証明書の提示義務を免除される。企業や、2Gルール適用対象のイベント主催者は、任意で2G+ルールを採用し、マスク着用および飲食時の着席義務を免除することが可能。
  • 屋内での私的な集会について、16歳以上のワクチン未接種で感染からの回復者でもないものが1人でも参加している場合は、参加人数を10人に制限する。全員がワクチン接種完了者もしくは感染回復者のいずれかである場合、参加人数の上限は30人、屋外の場合は50人とする。
  • 職場における在宅勤務義務を再導入する。職場勤務が必要な場合、同じ部屋に複数の人がいる場合はマスクを着用しなければならない。
  • 後期中等教育課程における校内のマスク着用を義務付ける。

併せて、連邦参事会は、12月18日以降、陰性証明書の取得を目的とする検査費用を政府が負担することを決定した。負担の対象は迅速抗原検査と唾液PCRプール検査で、自己検査、個別のPCR検査、抗体検査は対象外。

スイス入国時および入国後の検査義務を緩和

一方で、連邦参事会は、水際措置の一部を12月20日から緩和することを発表した。スイスに入国する際、これまでは入国前72時間以内に受けたPCR検査の陰性証明書のみが認められていたが、今後は入国前24時間以内に受けた迅速抗原検査の陰性証明書も認められる。加えて、入国後4日から7日以内に再度検査を受けることが義務付けられていたが(2021年12月6日記事参照)、ワクチン接種完了者もしくは感染からの回復者はこれを免除されることとなった。

(城倉ふみ)

(スイス)

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