新型コロナ・オミクロン株対策で入国規制強化

(フランス)

パリ発

2021年12月08日

フランス政府は新型コロナウイルスの新たな変異型「オミクロン株」の感染拡大防止に向け、12月4日からアフリカ南部10カ国(南アフリカ共和国、ナミビア、ジンバブエ、ボツアナ、エスワティニ、レソト、モザンビーク、マラウイ、サンビア、モーリシャス)からの入国を必要不可欠と認められる場合のみに制限し、入国者に対し、搭乗前48時間以内に実施したPCR検査または24時間以内に実施した抗原検査の陰性証明書と、到着時に新型コロナウイルス検出検査を受けることに同意する宣誓書の提示を義務付けた。

EU域内からの入国者については、ワクチン未接種者のみ、出発前24時間以内に実施したPCR検査または抗原検査の陰性証明書の提示を義務付ける。日本を含むEU域外からの入国者に対しては、ワクチン接種の有無にかかわらず、搭乗前48時間以内に実施したPCR検査または抗原検査の陰性証明書と、到着時に新型コロナウイルス検出検査を受けることに同意する宣誓書の提示が義務となる。

オリビエ・ベラン連帯・保健相は12月6日、オミクロン株の国内感染者数は25人となり、このうち21人は外国からの帰国者、残りの4人は国内で感染したと発表した。フランスでは11月30日に海外県レ・ユニオンで初めてオミクロン株の感染例を確認したのに続き、12月2日にはイル・ド・フランス地域圏など本土でも感染者を確認した。同大臣は、オミクロン株の感染力はデルタ株より強いとみられるが、オミクロン株がデルタ株より危険だとは言えないと説明した。

フランスでは現在、デルタ株の影響で新規感染者数が急増しており、ジャン・カステックス首相は12月6日、感染第5波対策の追加措置を発表した(2021年11月26日記事参照)。企業に対して、可能な限り週2~3日の在宅勤務を取り入れ、対面での会議を控えるとともに、職場の新年会や送別会を延期するよう求めた。

また、子供への感染も急激に広がっていることから、12月9日から学校でのマスク着用を義務付けるなど衛生基準を強化するほか、基礎疾患を持つ5歳から11歳へのワクチン接種を12月15日から任意で開始することも発表した。

娯楽関連では、ナイトクラブの営業を12月10日から4週間禁止し、クリスマス市など屋外イベントについても衛生基準を見直す。国民には、プライベートな会合などを極力控えるよう呼びかけた。

(山崎あき)

(フランス)

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