フランス、3回目接種を成人全員に拡大

(フランス)

パリ発

2021年11月26日

フランスのオリビエ・ベラン連帯・保健相は11月25日、新型コロナウイルス感染の第5波到来を受け、新たな措置を発表した。新型コロナウイルスワクチンの3回目の追加接種(ブースター接種)について、2回目接種からの間隔を6カ月から5カ月に前倒しするとともに、11月27日から対象者を現行の65歳以上から18歳以上の成人全員に拡大する。

接種ペースを加速するため、レストランや美術館などの利用時に提示が義務付けられている衛生パス(ワクチン接種・回復・陰性のいずれかを証明)の有効性継続のためにワクチンの3回目接種を義務付ける。12月15日以降、65歳以上で2回目接種完了から7カ月以内に3回目接種を完了していない場合、衛生パスは無効となる。18歳から64歳についても2022年1月15日以降、同様の措置が適用される。

ワクチン未接種者の衛生パス取得に必要となる、PCR検査または抗原検査の陰性証明書の有効期間については、2021年11月29日から現行の72時間を24時間に短縮する。ワクチン未接種者向けの新型コロナウイルス検査は10月15日から有料化されているが、検査結果の有効期限を短縮することでワクチン接種を促す。

さらに、11月26日から屋内の公共空間におけるマスク着用を義務付けた。この措置は、衛生パスの提示が求められる施設にも適用される。クリスマス市や蚤(のみ)の市など、屋外でのイベントにおけるマスク着用義務については、感染状況に応じて県の判断により実施する。

ジャン=ミシェル・ブランケール国民教育・青少年・スポーツ相は同25日、幼稚園・小学校における新型コロナ対策について、クラスに感染者が出た場合は一斉検査を行い、陰性結果が出た生徒のみ登校させることで、学級閉鎖を避けるとした。

フランスの全人口におけるワクチン2回接種完了者の割合は75.6%(11月24日時点)と欧州の中でも比較的高いが、11月25日の1日の新規感染者数は3万3,464人と3日間続けて3万人を超えた。ブレイクスルー感染も急増しており、1週間のワクチン接種完了者10万人当たりのPCR検査陽性者数外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは44.91人と前週から24.24%増えた(11月7日時点)。2回目接種を完了していたジャン・カステックス首相は11月22日、新型コロナ感染が判明し、自主隔離に入った。

(山崎あき)

(フランス)

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