検品大手ケンツー、現地財閥ベキシムコと技術支援契約を締結

(バングラデシュ)

ダッカ発

2021年12月22日

検品大手の株式会社ケンツー(本社:岐阜県養老郡)の現地法人であるK2ロジテックスバングラディッシュは11月24日、現地大手財閥企業のBEXIMCO(ベキシムコ)グループ傘下のBEXIMCO HEALTH(ベキシムコヘルスとの間で、個人防護具(PPE:医療用マスク・ガウン)の生産にかかる品質管理や生産管理上の技術支援提供に関する契約を締結した。

ケンツーは、2009年からバングラデシュにおいて衣料品の検品事業を実施し、現在、ダッカ・ガジプール、アシュリアおよびチョットグラムの3カ所で総勢1,000人の従業員を有している。ケンツーは通常、布帛(ふはく)やニットなどの衣料品の検品事業を主要業務としているが、この度、医療用ガウンやキャップなどの個人防護具の生産にかかる品質管理や生産管理の支援を実施する。ベキシムコヘルスが個人防護具の製造を開始したのは、新型コロナウイルスの感染拡大が始まり、個人防護具の世界的な需要が増加してからのこと。工場立ち上げから生産開始までの期間はわずか6カ月で、ケンツーから、品質や生産管理上の技術支援を提供するに至った。

技術提携に関する契約締結式において、ベキシムコのサイード・ナベッド・フサイン代表取締役社長は「ケンツーから工場内の生産体制へのアドバイスや生産管理の支援を受けたことで、既に生産効率が30%上昇した」と、ケンツーからの技術支援による成果を述べた。現在、ベキシムコヘルスによって生産された個人防護具は米国に輸出されているが、同社が製造する個人防護具は、米国基準だけでなく、EU基準も満たしており、今後、輸出先の拡大も期待されている。

K2ロジテックスバングラディッシュの湯田敏秀最高執行責任者(COO)は「2020年に1人当たりGDPも2,000ドルを超え、バングラデシュは大手企業を中心に従来のビジネスだけでなく、多角化すべく変わろうとしている。その大きな変化の流れの中、バングラデシュのブランドバリューを地元大手企業と共に大いに高めていきたい」と話す。日系企業がバングラデシュ大手財閥企業に技術提供することにより、バングラデシュから世界に向けて輸出拡大を目指す、という新しい連携のかたちとなりそうだ。

写真 ケンツー三谷龍馬専務取締役とベキシムコヘルスのモヒダス・カーン氏による契約締結(ジェトロ撮影)

ケンツー三谷龍馬専務取締役とベキシムコヘルスのモヒダス・カーン氏による契約締結(ジェトロ撮影)

(安藤裕二)

(バングラデシュ)

ビジネス短信 16ff9509a364d64c