ジェトロ、米国貨物セキュリティ優遇プログラムに関するセミナー開催

(米国)

ロサンゼルス発

2021年11月08日

ジェトロは10月28日、第5回米国の最新物流事情オンラインセミナー「コンテナセキュリティセミナー」を開催した。今回のセミナーでは、貿易実務に精通したマイケル・ロール弁護士が、参加者へのメリットもある米国貨物セキュリティ優遇プログラム(C-TPAT)の最新情報に加え、米国税関(CBP)が2020年に追加した新基準について解説した。セミナーには、輸入者や輸入手業者など65人の日本企業関係者が参加した。

C-TPATに参画する事業者は1万1,000を超えている。ロール弁護士は、輸入者がC-TPATに参画する利点として、米国輸入時にサプライチェーンリスクを軽減できることや、ファストレーンと呼ばれる貨物輸入の際の優先権が与えられること、輸入時の検査回数の減少や待ち時間の短縮が可能なことなどを挙げた。また、申請時のウェブサイトの使用方法、申請時の準備や申請時に対応が必要なサプライチェーンセキュリティに関する200問の設問についても説明した。

ロール弁護士は新たに追加された基準として、幹部責任でのセキュリティ手順の策定や実施、教育・訓練の実施、サイバーセキュリティポリシーの策定・実施などを挙げるとともに、新型コロナウイルス禍で査察が実地でなくオンラインで行われることに鑑みて、施設の使用状況を写真などで捕捉説明できる準備をすることや、昨今注目を集めている強制労働に関する規定では、サプライチェーンにおける法令順守態勢を文書化することが重要と説明した。

本セミナーはこちらのページでオンデマンド配信中。説明資料もダウンロード可能。米国の最新物流事情セミナーはシリーズ開催を予定しており、引き続き米国物流の現状を解説するセミナーを開催する。

(サチエ・ヴァメーレン)

(米国)

ビジネス短信 fc2f52555a78afc4