バイコヌール宇宙基地の近代化に向けたプロジェクト始動

(カザフスタン、ロシア、アラブ首長国連邦)

タシケント発

2021年11月26日

カザフスタンのデジタル発展・イノベーション・航空宇宙産業省と、ロシア国営公社ロスコスモス、アラブ首長国連邦(UAE)宇宙庁の3者は11月16日、カザフスタン南部のクズルオルダ州バイコヌール宇宙基地での商業宇宙活動事業「ガガーリン発射台プロジェクト」に関する基本合意書に署名した(同省ウェブサイト11月16日)。

今回の契約締結は、11月14日から18日まで開催された「ドバイエアーショー2021」の中で行われた。カザフスタン、ロシア、UAE政府はそれぞれ33.3%の割合で出資して合弁企業を設立する。プロジェクトの主な目的は、a.バイコヌール宇宙基地の重要な発射台を近代化し、継続的な運用を確保する、b.各当事者が打ち上げサービスを利用できるようにする、c.商業宇宙活動への外国投資を誘致することなどだ。

バイコヌール宇宙基地には2カ所の発射台がある。1号発射台は旧ソ連の宇宙飛行士ガガーリンにちなんでガガーリン発射台と呼ばれるが、旧式で汎用(はんよう)性の高いソユーズ2ロケットの打ち上げには対応していない。プロジェクトの実施により、設備更新と効率のよい商業用ロケット打ち上げが期待されている。

UAEは建国50周年に合わせて火星探査プロジェクトを進めるなど、宇宙産業分野の事業に積極的に取り組んでいる。サラ・ビン・ユシフ・アル・アミリ先端科学相は「専門知識、実績、資源の共有で、競争力あるグローバルな宇宙経済活動が加速する。バイコヌール宇宙基地の近代化に寄与し、宇宙飛行、科学の進歩と技術革新、持続可能な経済成長への利益を享受する」と述べている(「カリージ・タイムズ」11月6日)。

(増島繁延)

(カザフスタン、ロシア、アラブ首長国連邦)

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