ナザルバエフ前大統領が与党議長を辞任、進む権力移譲

(カザフスタン)

タシケント発

2021年11月26日

カザフスタンの最大与党ヌル・オタン(輝ける祖国)党のヌルスルタン・ナザルバエフ議長は11月23日、党政治評議会拡大会議において議長を辞任する旨を表明した。テングリニュースなど現地主要メディアが報じた。

同会議は、メディアに非公開で行われた。11月23日のエルバス(初代大統領に対する尊称)公式ウェブサイトによれば、ナザルバエフ氏は「政策と戦略を決定する大統領が党を主導すべきで、党議長の選出と解任は党憲章にのっとり党内の選挙で選出されなければならない」と述べたとされる。ナザルバエフ氏の意向を受け、次期党大会ではカシムジョマルト・トカエフ大統領が議長に選出される見込みだ。

ナザルバエフ氏は、カザフスタン独立から27年間にわたり大統領を務めた。2019年3月に突如、大統領を辞任(2019年3月20日記事参照)し、自身が信頼するトカエフ大統領を後継者に指名した。しかし、トカエフ政権誕生(2019年6月12日記事参照)後も、国家安全保障理事会終身議長、ヌル・オタン党議長、国民会議議長などの重要ポスト、人事決定権を掌握。メディアからは「二重権力」「院政」などと評されていた。

エルバスのアイドス・ウキバイ報道官はメディアの取材に対して、「今回の決定は権力移譲の一環であり、パンデミックによる世界的な危機の中で、ヌル・オタン党全体としてトカエフ大統領を支援するためだ」と回答している(テングリニュース11月23日)。

カザフスタンの著名な政治アナリストであるドシム・サトパエフ教授は、党議長職の移譲でトカエフ大統領の権限が強化され改革を迅速に行うことが可能になる一方、ナザルバエフ氏の影響力は依然強く、トカエフ大統領が党内の有力者を統率できるかここが正念場とコメントしている(ラジオ・アザッティク11月24日)。

(増島繁延)

(カザフスタン)

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