エリア4コーラル・サウス鉱区、2022年上半期に天然ガス生産開始の見込み

(モザンビーク)

マプト発

2021年11月12日

イタリア資源大手エニのクラウディオ・デスカルツィ最高経営責任者(CEO)は11月5日、モザンビークの首都マプトでフィリペ・ニュシ大統領、マックス・トネラ鉱物資源エネルギー相と会談し、同社が主導するエリア4コーラル・サウス鉱区開発の進捗を報告した。同社はエリア4の権益の25%を保有している。

エニのプレスリリースによると、計画は順調に進んでおり、韓国で建設中のFLNG〔浮体式の液化天然ガス(LNG)生産施設〕が間もなく完工する予定だ。会談では、現地の雇用創出と農家の生計向上を目的としたエニ主導によるバイオ燃料生産プロジェクトの構想のほか、同社が2021年8月からモザンビークで実施している森林保全プロジェクトについて話し合われた。エニはモザンビーク政府と2019年10月に持続可能な開発と脱炭素化推進のための共同プロジェクトに関する覚書(MoU)を締結しており、MoUに基づく森林保全プロジェクトによるカーボンオフセットを目指している。

トネラ鉱物資源エネルギー相は会談後の取材に対し、同鉱区の鉱床掘削は既に完了しており、2022年上半期中に天然ガスの生産と輸出の開始が見込まれると述べた(「クラブ・オブ・モザンビーク」2021年11月7日)。

エリア4はコーラル・サウス鉱区とロブマ鉱区の2カ所で開発が進んでおり、陸上LNGプラントが採用されているロブマ鉱区は米国資源大手エクソンモービル(権益25%)が開発を主導している(2021年11月5日記事参照)。同社のリアム・マロン石油・ガス担当社長も同時期にマプトを訪問し、ニュシ大統領、トネラ鉱物資源エネルギー相と会談した。会談後の記者会見でトネラ鉱物資源エネルギー相は、エクソンモービルは温室効果ガス削減とコスト抑制のため開発プロジェクトを再設計しており、コスト削減策としてフランスのトタルが開発を主導し、陸上プラントが採用されているエリア1との相乗効果を模索していると述べた。

(松永篤)

(モザンビーク)

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