2030年までの温室効果ガス50%削減を発表

(ニュージーランド)

シドニー発

2021年11月04日

ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は10月31日、2030年までに温室効果ガス排出量を正味で50%削減(2005年比、以下同)することを目指すと発表した。国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の開幕直前に、パリ協定に基づく同国の排出削減目標(NDC)を改定した。

アーダーン首相は2019年、2050年までのネットゼロを目指して「ゼロカーボン法」を導入した(2019年11月29日記事参照)。同法に伴って設立された気候変動委員会(CCC)は「2030年までに30%削減を目標とする、2016年に提出したこれまでのNDCは、パリ協定で定めた長期目標(世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2度より十分低く保ち、1.5度に抑える)の達成に向けた世界の取り組みと一致していない」と指摘。目標値を36%以上に引き上げることを提言していた。

同国は、新たなNDCを達成するため、国内での排出削減を最優先事項に挙げ、具体策は2022年に発表する排出削減計画に盛り込むとした。また、海外での排出削減にも取り組むとして、特にアジア太平洋地域の開発途上国による持続可能な開発目標の達成を支援するとした。

アーダーン首相は「気候変動は、われわれの経済や環境、日常生活への脅威で、政府の優先事項だ」と述べ、重要性を強調した。また、「NDCの引き上げは、地球温暖化による最悪の影響を回避するとともに、地球規模の気候変動対策への貢献を示す大きな一歩だ」と述べた。

(住裕美)

(ニュージーランド)

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