環境規制の強化続く、解釈や運用に課題も

(中国)

上海発

2021年11月16日

中国の第14次5カ年(2021~2025年)規画では、拘束性目標(注)として主要汚染物質の排出総量の削減目標を定めるなど、炭素排出削減も含めた環境規制を強化する傾向にある(2021年3月10日記事参照)。

ジェトロは、こうした中国の環境規制が日系企業の事業活動にどのような影響を与えているのか、上海莱弥信息諮詢(上海インサイツ)に委託して8月3日から9月3日にかけてアンケート調査を実施した。直近1年間の影響やそれを踏まえた企業の対応などについて、中国進出日系企業360社から回答を得た。

直近1年間で環境保護に関し政府から指導を受けたと回答した企業数は159社と全体の44.2%を占めた(添付資料表1参照)。指導の内容については、「処理設備の追加」が61社(指導を受けたと回答した企業の38.4%) 、「環境監査、測定の実施」が52社(32.7%)、「保管倉庫などその他設備の追加」が45社(28.3%)、「測定装置の追加」が41社(25.8%)となった(添付資料表2参照)。

「直近1年間の自主的な取り組みの実施」については、223社(61.9%)が新たな環境規制対応をしたと回答した。取り組みを実施している分野は、大気汚染141社(63.2%)、固体廃棄物118社(52.9%)、水質汚染100社(44.8%)、騒音・振動52社(23.3%)、土壌汚染31社(13.9%)の順だった(添付資料表3参照)。

所在エリアの環境規制への評価は、252社(70.0%)の企業が「厳しい」または「やや厳しい」と回答した(添付資料表4参照)。「厳しい」と回答した企業のうち「厳しすぎて対応困難」が22社(19.3%)だった。環境規制を踏まえ「工場移転を検討する」と回答した企業は18社(5.2%)あり、そのうち「工場すべてを中国国内で移転」とした企業は12社(66.7%)だった。

環境規制に対し、「規制変更が頻繁で周知期間と猶予期間が短い」「規制内容の曖昧さ、担当者によって要求内容が異なる」など、規則の内容の解釈や運用面での問題に対する声が寄せられた。カーボンニュートラルについては、「具体的な対応は未実施、情報収集段階」との回答が多かった。

(注)規画の目標のうち達成が必ず求められる目標を拘束性目標としている。

(尹世花)

(中国)

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