中国食品市場の開拓には、より工夫した取り組みが必要

(中国)

大連発

2021年11月10日

所得水準の向上や「新型コロナ禍」における海外渡航制限などにより、中国では輸入食品のニーズが高まっており、日本産食品の対中輸出も増加している(注1)。ジェトロが10月29日にオンデマンド配信を開始したウェビナー「中国における菓子市場の現状と日本産食品の可能性」では、大連翰哲国際貿易の張智総経理が詳しい紹介をした。

大連翰哲国際貿易は、2011年以来、菓子類を中心とした日本産食品の輸入と中国全土での販売を手掛けている。張総経理は、大きく変貌する中国市場を最前線で見据えるバイヤーの視点から、主要販路、販促手段、他の国の競合商品の販売動向、新型コロナウイルスの影響、消費者の嗜好(しこう)の変化、調達ニーズ、対中輸出時の留意事項などについて詳しく解説した。

張総経理は講演の中で、中国では世代ごとに消費者の嗜好や輸入品に対する見方が異なるため、ターゲット層を意識した商品開発や宣伝方法が求められると説明した。さらに、中国の新しいトレンドである「国潮ブーム」(注2)や中国産食品の品質向上によって、競争はますます激化していると指摘。品質やパッケージの美しさもさることながら、知的財産(IP)やキャラクターといった文化的要素の導入や、自社独自のスタイルやストーリーの創出など、商品に付加価値を付け加えることも重要と強調した。

なお、同ウェビナーは2022年3月10日までジェトロウェブサイトで申し込み・閲覧が可能。

(注1)日本側の統計によると、2020年の日本の中国向け農林水産品・食品の輸出額は前年比7.1%増の1,645億円と香港に次いで2位。うち、菓子類(米菓を除く)は27.3%増の51億円で1位になっている。

(注2)「国潮ブーム」とは、経済成長とともに自国ブランドが見直される動きを指す。

(王哲)

(中国)

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