先進国・地域の気候変動への取り組み評価、効果には懐疑的、米シンクタンク調査

(米国、カナダ、ベルギー、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、スペイン、スウェーデン、英国、オーストラリア、日本、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾)

米州課

2021年11月02日

ジョー・バイデン米国大統領の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)出席を控え、米国シンクタンクのピュー・リサーチ・センターは10月29日、先進国・地域での気候変動に係る意識とバイデン政権の対外政策に対する先進国・地域での見方に関する意識調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注1)を発表した。

それによると、先進国・地域で気候変動が自身に害を及ぼすことを懸念する割合は72%と高く、気候変動の影響を減らすために生活や仕事の仕方を変えたいとする割合も80%と高かった。

また、気候変動に対する社会的取り組みがうまくいっているとする割合は56%だったが、その国際的取り組みが気候変動の影響を大幅に減らすと確信しているかについては、「確信していない」52%と「確信している」(46%)を上回った。

自国・地域の社会的取り組みを評価する割合は、欧州ではスウェーデン(73%)、英国(70%)、スペイン(61%)、アジア・大洋州ではシンガポール(81%)、ニュージーランド(79%)で高かった。北米ではカナダが64%と高かったが、米国は47%にとどまり、その他の国・地域では5割前後だった。

バイデン政権の対外政策におおむね賛同

先進国・地域におけるバイデン米政権の世界保健機機関(WHO)脱退撤回への支持率は、スウェーデン(94%)、スペイン(92%)、イタリア、フランス、ニュージーランド、シンガポール(いずれも90%)で高く、中央値は89%だった。

パリ協定復帰への支持率は、スペイン、イタリア(いずれも93%)、スウェーデン、フランス(いずれも91%)、ベルギー(89%)で高く、中央値は85%。トランプ前政権のパリ協定離脱には反対が多かった(2020年1月9日記事参照)のとは対照的だ。

米国が民主主義サミットを主催する外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注2)ことへの支持率は、イタリア、ギリシャ、韓国(いずれも92%)、スペイン(91%)、フランス、日本、オーストラリア(いずれも87%)で高く、中央値は85%。

難民をより多く受け入れることへの支持率は、スペイン(86%)、イタリア、ニュージーランド(いずれも80%)、オランダ(78%)、日本(77%)で高く、中央値は76%。

(注1)実施時期は、2021年3月12日~5月26日。対象者は、カナダ、ベルギー、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、スペイン、スウェ―デン、英国、オーストラリア、日本、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾の成人1万6,254人。米国では実施時期が2021年2月1~7日、対象者は成人2,596人。

(注2)ジョー・バイデン大統領は8月に、2021年12月9、10日に民主主義国のリーダーを集めた民主主義サミットを開催することを発表。

(松岡智恵子)

(米国、カナダ、ベルギー、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、スペイン、スウェーデン、英国、オーストラリア、日本、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾)

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