世界銀行が「Africa’s Road to COP26」ウェビナーを開催

(アフリカ、南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2021年11月05日

世界銀行は10月26日、「Africa’s Road to COP26外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」と題したウェビナーを開催した。本ウェビナーは、アフリカ開発の関係者が出席し、気候変動に関する最新情報やCOP26(国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議)に向けたアフリカの立ち位置について議論することが目的とされた。

ウェビナーでは、主に気候変動によるアフリカへの影響と、解決のための資金調達の重要性について議論された。世界銀行アフリカ担当チーフエコノミストのアルバート・ズファック氏は「アフリカの気温はほかの地域と比べ、上昇率が高い。例えば、サヘル地域では世界平均に比べて1.5倍のペースで気温が上昇するとされている。また、アフリカ諸国は、世界の二酸化炭素排出量の4%にも満たないにもかかわらず、甚大な気候変動の影響を受けている」と危機感を示した。オックスフォード大学学術研究院のアロマ・オテ氏は、食料安全保障や経済リスクに触れ、気候変動が2030年までにアフリカのGDPを15%減少させる可能性があると言及した。

また、各登壇者が課題解決のためには資金調達が急務なことを強調した一方、参加者唯一の議員であるコンゴ民主共和国のジャニーン・マブンダ・リオコ氏は「資金の調達だけでは課題解決につながらない。アフリカ各国政府は世界から発信される気候変動に関するメッセージを地元の人々が理解できるようにして、発信し続ける必要がある」と述べた。さらに、同氏は具体的な取り組みとして、英国企業が1億ドル投資する、コンゴ民主共和国の農村での太陽光発電のプロジェクトにも触れた。同プロジェクトでは、生活のために森林伐採する地域住民に対して一方的に伐採を禁止するのではなく、ソーラーパネル設置のための土地を提供してもらうことで地域住民を巻き込み、協力してプロジェクトを推進している、と述べた。経済発展を目指すアフリカが今後、環境問題にどのように向き合い、COP26で先進国と議論していくのかが今後注目される。

(堀内千浪)

(アフリカ、南アフリカ共和国)

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