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バイデン米大統領がCOP26で演説、途上国の気候変動対策に毎年30億ドルの拠出を表明

(米国、欧州、中国、ロシア、インド)

ニューヨーク発

2021年11月04日

ジョー・バイデン米国大統領は、11月1、2日に行われた国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の首脳会合(2021年11月1日記事参照)に出席した。ホワイトハウスは、これに合わせて、バイデン大統領が途上国への気候変動対策向けの金融支援として、2024会計年度まで毎年30億ドルを計上することを議会に求めていくことを表明した。

首脳会合では、途上国から気候変動対策について、先進国の金融支援を求める声が相次いだ。背景には、2009年のCOP15において先進国は途上国への金融支援を2020年までに年間1,000億ドル行うことで合意したにもかかわらず、2019年時点での支援額は約800憶ドルにとどまるとされていることがある。同様の追加金融支援を表明した欧州諸国とともに、米国は途上国の気候変動対策を資金面で後押しする。

バイデン大統領は演説で、「(謝るべきではないが)前政権でのパリ協定の離脱を謝罪したい」とし、気候変動への関与を言葉でなく行動を示すと述べるとともに、COP26直前に発表した「ビルド・バック・ベター計画」に盛り込まれた気候変動対策を紹介して(2021年11月1日記事参照)、前政権との気候変動対策に対する姿勢の違いをあらためて強調した。また、「(気候変動は)人類への脅威で、不作為のコストは日ごとに高まっている」「地球を保護し、世界中の人々の生活の質を高める変革的行動の10年をここグラスゴーから始めよう」と述べて、各国へ気候変動対策の強化を訴えた。また、既に欧州や日本を含む100カ国近くが参加表明している、2030年までに2020年比でメタンガスを30%減らす取り組みについて(2021年9月21日記事参照)、より多くの国の参加を訴えた。そのほか、途上国向けのインフラ支援に際しては、議長国の英国やEUとともに、気候変動に配慮することや途上国と緊密に協議すること、官民で十分に資金を拠出すること、など5つからなる基本方針を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしている。

しかし、11月2日までの首脳会合を終えて、具体的な成果には乏しい。世界1位の温室効果ガス排出国の中国、世界4位のロシアは会議参加を見送り、声明でも従来の目標を繰り返すにとどまっている。また、世界3位のインドのナレンドラ・モディ首相は会議に出席したが、先進国が2050年のカーボンニュートラルを目指しているのに対して、インドは経済成長とのバランスを踏まえて2070年までのカーボンニュートラルを目指すと表明し、先進国と途上国の気候変動対策への考え方の違いが鮮明になった。国連の推計では、現状の各国の目標のままでは、21世紀中に気温は産業革命前と比べて2.7度上昇するとされており、パリ協定が目指す1.5度の上昇に抑えるという目標達成は難しい見込みだ。COP26は11月9日から予定される閣僚級会合を含めて11月12日までの予定で、こうした現状を踏まえて、先進国と途上国が気候変動対策強化でどこまで歩み寄れるかが注目される。

こうしたCOP26の首脳級会合について、「ウォールストリート・ジャーナル」紙は、「G20会合では気候目標の策定にほとんど進展がなかったが、(COP26でも)途上国と先進国の間の根本的な溝を浮き彫りにした」(11月1日)と報じた。また、ブルームバーグは、「バイデン大統領は気候変動との戦いで再び世界のリーダーになる準備ができていると述べたが、いまだ(ビルド・バック・ベター計画の)クリーンエネルギーの推進に数千億ドルを費やすという提案の国内調整は難航している」(11月1日)と伝えた。

(宮野慶太)

(米国、欧州、中国、ロシア、インド)

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