繊維の輸入規制、商業省の見直し内容に要注意

(インドネシア)

ジャカルタ発

2021年11月17日

インドネシアでは商業大臣規程2021年第20号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの11月15日からの施行に伴い(2021年11月10日記事参照)、繊維および繊維製品の輸入規制も改正された。輸入承認(PI-TPT)の申請方法や有効期間など、ルールが変更されているため注意が必要だ。

繊維の輸入ライセンスを取得したい場合、輸入者はこれまで、商業省のオンラインシステム「INATRADE」から申請を行っていたが、同規程により、申請はインドネシア・ナショナル・シングル・ウィンドウ(INSW)から行うよう変更された。これまでPI-TPTの有効期間は1年間と定められていたが、一般輸入ライセンス(API-U)保有企業の場合、申請企業が提示する向こう1年間の輸入量や在庫消化を基に、収支見込みを勘案しつつ、商業省が承認数量を決める流れとなるが、その収支見込みが固まっていない場合、有効期間は6カ月となる旨が規定されたので注意を要する。また、API-U保有企業は、中小企業の需要を満たすため、中小企業からの発注数量を超えない範囲で輸入できる決まりだが、今回の見直しでこの点に関する定めは特にない。この決まりが引き続き有効なのか、または撤廃されたのか、商業省への確認が必要だ。

商業省は当面の措置として、2021年12月31日までに輸入港に到着する物品のうち、本規程第50条に定める特定のHSコードに分類されるものについては、同規程添付資料Iで定める規制内容(「PI」や「LS」など、表中にレ点がついているもの)の適用を猶予することとした。また、これまでは引っ越し荷物、サンプル、展示会、FOB価格1,500ドル以下、輸出のための輸入便宜(KITE)利用など、特定の目的で輸入するものが適用除外だったが、今回の見直しにより、MITA(通関優先パートナー)またはAEO(認定事業者)の認定を受けた、製造業輸入ライセンス(API-P)保有企業が輸入する場合も適用除外となる。適用除外対象品の詳細は添付資料を参照。

なお、繊維および繊維製品にはセーフガード(緊急輸入制限)が発動されているものがあり、日本などの主要国からの輸入には関税がかかる。セーフガードは2022年11月まで引き続き有効だ(2021年8月31日記事参照)。

(佐々木新平)

(インドネシア)

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