日米政府、日本の鉄鋼・アルミ製品への米追加関税措置問題の解決へ協議開始で合意

(米国、日本)

ニューヨーク発

2021年11月15日

訪日した米国のジーナ・レモンド商務長官は11月15日、萩生田光一経済産業相と会談外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを行った。両閣僚は、米国通商拡大法232条に基づく鉄鋼・アルミ製品に対する追加関税措置の問題解決に向けた協議を開始することに合意するとともに、日米商務・産業対話パートナーシップを設立した。

経済産業省が公表した共同声明(仮訳)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、両閣僚は「日米商務・産業パートナーシップ(JUCIP)」の設立に合意し、商務省と経済産業省は、JUCIP を通じて両国経済の競争力や強靱(きょうじん)性、安全保障を強化し、気候変動など地球規模の共通課題に対処し、繁栄を成し遂げて自由で公正な経済秩序を維持することを約束した。また、具体的には、JUCIPは商務省のSelectUSA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますやジェトロのJ-Bridge プログラムなどを通じて両国の民間部門の間での投資を促進し、協力を活性化する活動を開始するとしている。

レモンド商務長官とキャサリン・タイ米通商代表部(USTR)代表は11月12日、日本との間で国際的な鉄鋼・アルミニウムの過剰生産問題への対応に関する協議を開始したとの声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表していた。その中で、両閣僚は主に中国による市場経済に基づかない過剰生産がもたらす米国産業への影響を懸念していると強調する一方、日本との間には緊密な連携の下で国際的な課題を解決する強いコミットメントがあるとし、今後の日米間の協議は高い基準を促進し、気候変動など共有する懸念に対処し、貿易歪曲(わいきょく)的な非市場経済的慣行を支える中国などの国の責任を追及する機会を与えるとしていた。

具体的には、両国は米国の1962年通商拡大法232条の適用や貿易フロー、鉄鋼・アルミの過剰生産に対処するための十分な取り組みを含む、両国間で懸念を有する分野について解決を目指すとしていた。商務省は、ジョー・バイデン大統領が10月末にEUと鉄鋼・アルミ貿易に関する共同声明を発表した際、日本と英国とも個別に緊密な協議を行っているとの声明を出していた(2021年11月2日記事参照)。

(磯部真一、中溝丘)

(米国、日本)

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