アフリカなどからの入国者に強制隔離を再導入、新型コロナ・オミクロン株への懸念

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2021年11月30日

アルゼンチン政府は11月26日、アフリカ南部で新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン」が検出されたことを受け、アフリカ大陸諸国と保健当局が指定する地域からの入国者に強制隔離措置を義務付けると発表した。また、アフリカ諸国からの直行便を停止するとした。

11月29日付で公布した行政決議第1163/2021号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、アルゼンチン入国前14日以内にアフリカ諸国と保健当局が指定する地域に滞在した渡航者には、以下の入国条件を義務付ける。なお、現時点で保健当局が指定する地域は公表されていない。

  • 入国前14日以内にアフリカ大陸諸国および保健当局が指定する地域に滞在したことをオンラインでの宣誓供述に明記。
  • 入国14日前までに2度のワクチン接種を完了していること。
  • 出国前72時間以内にPCR検査を受けて陰性証明書を提出すること。
  • 入国時に抗原検査を受けること。
  • 必要緊急大統領令第260/20号第7条に基づく強制隔離(10~14日間)と、出国時のPCR検査から10日目に再びPCR検査を受けること。陰性が確認された時点で強制隔離は終了。
  • 非居住者外国人には上記のほかに、新型コロナウイルス対応の医療保険加入を求める。
  • これらの措置を順守しなかった場合、アルゼンチン刑法第205条(感染病拡大を防止する目的で管轄当局が導入した関連措置に反した場合は懲役6カ月から2年)、第239条(当局関係者の指示に従わない場合は懲役15日から1年)を適用する。

アルゼンチン政府は11月2日から、入国14日前までに2度のワクチン接種を完了した全ての外国人に対して強制隔離なしの入国を認めており、10日からは条件付きでワクチン接種未完了の外国人の入国も認めていた(2021年11月17日記事参照)。今回の措置は、オミクロン型変異株の脅威を懸念し、早期にこれを検出することで国内での感染拡大を阻止するのが目的だとしている。

保健省によると、全国の感染状況は11月22日の週は2,000人を超え、緩やかな増加傾向にある。現在、主に流行しているのはデルタ型変異株と確認されている。感染第2波が確認された2021年5~6月の1日当たり新規感染者数は平均3万2,000人前後で推移していたが、10月中旬には約700人まで減少した。以降、1日平均1,200~1,600人にとどまっていた。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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