欧州産業界、2022年上半期EU議長国フランスへの政策提言を発表

(EU)

ブリュッセル発

2021年11月30日

ビジネスヨーロッパ(欧州産業連盟)と欧州各国の会員40団体は11月26日、EU理事会(閣僚理事会)の2022年上半期の議長国となるフランスに対する「パリ宣言」と題した政策提言書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。「パリ宣言」では、「欧州ビジネス界では、欧州企業がグローバル市場で不利な状況に陥るようなEUの法提案について懸念が増している」とし、フランスに対して議長国としてEU経済の再建とともに、複雑な法規制の改善に取り組むよう求めた。以下の7項目を優先課題として挙げ、それぞれについて提言を行った。

  1. 持続的な成長や雇用につなげるために経済を再建すること
  2. 原材料などの供給不足、インフレリスクといった課題への対応
  3. 気候目標達成と産業競争力維持の両立
  4. デジタル分野のイノベーションを促進する規制枠組みの策定と投資の促進
  5. EUの金融セクターが確実に企業の経済回復とグリーン化・デジタル化への移行に資金を提供できるよう金融機関を監督・規制
  6. 人権デューディリジェンスと持続可能なコーポレートガバナンスについて実施しやすい法的枠組みの策定
  7. 経済回復を維持するため、持続可能かつルールに基づいた貿易を推進

デューディリジェンスなどについても過度な企業負担を警戒

このうち、人権デューディリジェンスについて、欧州委員会がデューディリジェンスと持続可能なコーポレートガバナンス関する法整備を進める中、企業側も取り組みを進めている(2021年11月16日付地域・分析レポート参照)。「パリ宣言」では、欧州企業は人権を尊重し、サプライチェーン上で起こり得るリスクに対応する重要性を十分認識しているとした上で、EU域内で活動する域外企業にも適用される欧州単一市場のデューディリジェンスについて、調和が取れた規制が求められると指摘した。

また、次期議長国フランスに対して、明確で実施しやすく中小企業に過度な負担とならないルール策定を保証するよう求めた。ルール策定に当たって、結果重視や一次サプライヤーに限定したルールではなく、要件を満たしやすくしつつも、手段・方法を限定したかたちで企業に責任を負わせるルールにすべきだとした。

さらに、バリューチェーンに関連する確かな情報を評価するための支援ツールや、企業が義務を順守できるような支援が必要だとした。持続可能なコーポレートガバナンスについても、現行の法的枠組みは企業がそのビジネス戦略やモデルの中核に持続可能性を据えるように促すという目標に十分かなっており、「全ての企業に適応できる唯一のルールはない」と指摘。欧州委が策定を進めるコーポレートガバナンスに関する新ルールがビジネスに影響を及ぼしたり、経営陣の責任を曖昧にしたりするなどしてコーポレートガバナンスの弱体化につながらないよう、EU理事会が注意していくべきだと提言した。

(滝澤祥子)

(EU)

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