北米3カ国首脳会議が5年ぶりに開催、新型コロナ対応の協力などで合意

(米国、カナダ、メキシコ)

ニューヨーク発

2021年11月22日

米国のジョー・バイデン大統領、カナダのジャスティン・トルドー首相、メキシコのアドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(AMLO)大統領は11月18日、米国ワシントンで、2016年以来となる北米3カ国の首脳会議を開催した。

米国ホワイトハウスが発表したファクトシート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、3カ国は、(1)新型コロナウイルスのパンデミック終結、(2)競争力の醸成・公平な成長のための環境づくり、(3)移住・開発・安全な北米のための調整、に関して協力することに合意した。(1)については、COVAXファシリティー(注)に対する関与を高め、中南米・カリブ諸国および世界におけるワクチン供給を改善することや、ワクチン用の原材料や公衆衛生関連の資材を北米域内で生産できるよう医療関連のサプライチェーンを補強することなどが含まれる。

(2)については、北米域内のサプライチェーンを強化すべく、必要不可欠な産業を特定し、将来における混乱を最小限にするよう3カ国間での調整メカニズムを構築することや、中小企業や女性起業家の支援での連携、透明性・包摂性・説明責任を備えた規制慣行の促進、労働権の保護および米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に基づく強制労働によって生産された製品の輸入禁止の確認などが含まれている。さらに、喫緊の課題である気候変動に関しては、石油ガス分野をはじめとする全ての産業分野からのメタン排出を削減するための「メタンとブラックカーボンに関する北米戦略」を策定することや、電気自動車(EV)の早期普及や航空分野における2050年までのネットゼロ排出を含む持続可能な輸送手段への転換を加速することなどに取り組むとしている。

(3)に関しては、メキシコ経由で米国に入国しようとする移住者が後を絶たない問題に対して、米州における移住と保護に関する地域合意の策定や、一時的季節労働ビザの促進などによる労働移動の円滑化、不法移住の根本的原因に対処するための3カ国の開発担当省庁によるパートナーシップの検討などを進めるとしている。

会議の前には、バイデン政権が議会民主党と進めているビルド・バック・ベター法案(H.R.5376)に含まれるEV購入時の税額控除額引き上げ案に関して、反対しているカナダ、メキシコとの間で議論が進展するか注目されていた(2021年11月4日記事参照)。しかし、11月19日には米国下院が同税額控除案を含んだまま法案を可決している。上院で法案の内容が変更される可能性が残る中、トルドー首相は、解決策を見つけるため引き続き米国を説得するとしている(ロイター11月19日)。

(注)新型コロナウイルスワクチンの公平な分配を目指す国際的な共同購入の枠組み。

(磯部真一)

(米国、カナダ、メキシコ)

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