新型コロナの感染再拡大を受け、各種規制を再び強化

(オランダ)

アムステルダム発

2021年11月04日

オランダのマルク・ルッテ首相とヒューホ・デ=ヨンゲ保健・福祉・スポーツ相は11月2日、記者会見で新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた措置を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。9月25日に各種規制を大幅に緩和(2021年9月17日記事参照)したばかりだったが、10月中旬以降の感染再拡大、入院患者数の急増を踏まえた対応となった。今回の措置は主に以下の3点。

〇11月3日から、在宅勤務比率を5割とし、通勤や外出の場合はピーク時間を避けること。

〇11月6日から、マスク着用義務(注1)を全ての公共の屋内スペースに拡大する。コロナエントリー・パス(ワクチン接種証明、24時間以内の陰性証明、回復証明)が不要となっていた公共の屋内スペースでも、マスク着用が義務付けられる。マスク着用が義務付けられる場所は以下のとおり。

  • スーパーマーケット、店舗、図書館、遊技場、アミューズメントパークなど
  • 公共交通機関内、駅構内、駅のホーム、バスやトラムの停留所、空港、航空機内
  • 中等職業学校(MBO)や大学の教室以外の場所
  • 必要に応じて顧客と接触のある専門業種、この場合にはサービスの提供者と顧客双方が対象

〇11月6日から、コロナエントリー・パスの提示が必要となる場所を拡大する。適用される場所は以下のとおり(既存を含む)。

  • 飲食店では屋内と屋外両方が対象(テークアウトは除く)
  • カジノ
  • 劇場、コンサート会場、映画館などの文化的施設
  • 美術館や歴史的建造物など来場者が多い場所
  • フェアや特定のスポーツイベントなど、座席指定がなくても来場者のいるイベント
  • フェスティバルやライブパフォーマンスなどのイベント
  • 見本市や会議などのビジネスイベント
  • プロおよびアマチュアスポーツの観戦(アマチュアスポーツの観戦において18歳未満は対象外)
  • 18歳以上(注2)が屋内および屋外において団体で行うスポーツとその練習(ジム、グループレッスン、サッカー、水泳などのスポーツの練習を含む)
  • 18歳以上の音楽や絵画のレッスン、歌、ダンス、演劇のリハーサルなど芸術および文化的活動

政府は、コロナエントリー・パスについて、飲食サービス部門など来場者の提示が必要な場所に勤務する従業員への適用や、他の部門においても雇用主の判断で導入が可能となるようにしたいと考えている。さらに、動物園など来場者が多い場所への適用拡大を検討しているが、議会での承認が必要となる。これらの措置について政府は、専門家会議の助言に基づき11月12日に再度、評価するとしている。

なお、政府は、新型コロナウイルスワクチンの3回目のブースター(追加)接種に関して、12月から保健所に来ることができる80歳以上の全ての人を対象に開始することを合わせて発表した。1月からは60歳から80歳未満、2月からは医療従事者が順次対象となる。

(注1)マスク着用義務に違反した場合は、95ユーロの罰金が科せられる。

(注2)18歳未満の団体活動については対象外。

(下笠哲太郎)

(オランダ)

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