日本の第3四半期の農林水産物・食品輸出額は26.4%増

(日本)

農林水産・食品市場開拓課

2021年11月15日

日本の農林水産省が11月5日に公表した「農林水産物輸出入情報」によると、財務省貿易統計に基づく2021年第3四半期(7~9月)の農林水産物・食品輸出額(確報値)は、前年同期比26.4%増の2,906億2,747万円となった。新型コロナウイルスにより打撃を受けた経済が正常化し、外食産業が需要を取り戻した中国および米国向けの輸出が好調だった。一方、感染の再拡大に見舞われたベトナム向け輸出は前年同期割れし、タイ向けの輸出は鈍化した。

2021年第3四半期の農林水産物輸出を輸出相手国・地域別にみると、1位は中国で607億1,277万円、前年同期比54.2%増になった。中国向け主要輸出品目であるホタテ貝が前年同期比3.7倍の124億1,165万円、アルコール飲料が99.1%増の79億827万円と大きく伸びた。新型コロナウィルス感染拡大による影響を受けた経済活動が正常化し、個人消費の回復が進んでいることが大きい。第2四半期において1位だった香港は、2.3%増の556億9,544万円にとどまり、2位となった。3位は米国で、41.7%増の415億6,135万円。主要輸出品目の牛肉(くず肉を含む)(3.4倍、31億2,492万円)やホタテ貝(6.1倍、20億2,261万円)の輸出が拡大した。他方、主要輸出相手国のベトナムやタイは、新型コロナウィルス感染の再拡大を受け、厳しい行動制限下に置かれたことなどが影響し、輸出額はそれぞれ3.2%減の120億2,377万円、1.3%増の108億290万円と振るわなかった。

品目別にみると、寄与度順に、ホタテ貝(201億3,778万、前年同期比2.5倍)、アルコール飲料(287億5,492万円、66.5%増)、牛肉(149億8,516万、88.8%増)、菓子(174億2,990万、31.3%増)が上位を占めた。

(安東利華、上嶋友也)

(日本)

ビジネス短信 6e2377fb15d7d0da