第3四半期のGDP成長率は前年同期比17.2%、消費の回復が牽引
(チリ)
サンティアゴ発
2021年11月24日
チリ中央銀行の発表(11月18日)によると、2021年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率は、前年同期比17.2%だった(添付資料表1参照)。当期は前期に続く高成長で、中央銀行は、経済の回復、政府による新型コロナウイルス関連の家計や企業への支援策、年金積立額の一部引き出し法の影響を高成長の要因として挙げている。
GDP成長率を需要項目別にみると、内需は、民間消費の大幅な増加に牽引され、前年同期比28.4%だった。主に人々の行動が活発化したことで、衣類、食品、飲料、たばこなどの非耐久消費財や、医療、レストラン、ホテル、運輸などのサービス消費が増加した。総固定資本形成は、鉱業・建築プロジェクトの増加により、29.8%となった。
財・サービスの輸出入は、輸出が前年同期比1.7%増、輸入が38.3%増加した。財の輸出は果物や金属製品の増加によるもので、輸入は主に自動車、トラック、テクノロジー製品、工業用機械の増加によるもの。
経済活動別にみると、全体の成長率への寄与が高かったのは商業(寄与率:18.9%)、個人サービス(18.6%)、企業サービス(14.3%)の順で、商業の伸びは小売り、卸売りがともに増加したことが影響している(添付資料表2参照)。個人サービスの伸びは、主に新型コロナ禍で延期されていた医療サービスの再開によるもので、企業サービスは、コンサルティング、広告、エンジニアリングなどの活動の増加によるものだった。
中銀は9月に発表した金融政策報告書で、2021年通年のGDP成長率を10.5~11.5%と予想している。
(岡戸美澪)
(チリ)
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