2021年アフリカ投資先ランキングでエジプトが首位、南アRMB調査

(アフリカ、エジプト、モロッコ、南アフリカ共和国、ルワンダ、ガーナ)

中東アフリカ課

2021年11月24日

南アフリカ共和国の大手銀行RMBホールディングスは9月、「Where To Invest In Africa 2021」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでアフリカの投資先ランキングを発表した。本レポートは、2020年まで世界銀行の「Doing business」を指標の1つとして扱っており、「Doing business」の廃止に伴って投資先ランキングの変動が予想されたが、1~3位に変動はなかった。今回のランキングでは、1~10位をエジプト、モロッコ、南ア、ルワンダ、ボツワナ、ガーナ、モーリシャス、コートジボワール、ケニア、タンザニアが占めた。

本レポートでは、アフリカ諸国の投資環境スコアを経済活動スコア(市場規模、成長性、財政状況)と経営環境スコア(グローバル競争、汚職の認識、経済的自由)に基づいて算出される。

首位のエジプトは、経済再生プログラムや新型コロナウイルス対応が評価されたほか、2015年に発見されたガス資源への投資が拡大すると見込まれた。加えて、社会住宅プロジェクトの継続や首都移転に伴い、建設部門が活発化するとしている。2位のモロッコは、安定した政情であることに加え、感染症対策として巨額の財政出動により経済成長が堅調に推移すると予想された。2020年にはGDPの2.7%に相当するコロナウイルス感染症対策特別基金を設立し、その3分の1は政府から拠出されることになっている。3位となった南アは、購買力平価ベースでは依然としてアフリカ最大級の規模を誇っており、製造業と小売業の拠点として、今後も南部アフリカの地域経済を支えていくとした。

なお、特筆すべきランクの変動として、ルワンダが4位、ガーナが6位に順位を上げた。ルワンダは、2017年に策定した国家変革戦略(NST)の一環として、今後数年間にわたってさまざまな投資により建設・エネルギー部門が伸長すると評価された。ガーナは政治的に安定していることに加え、石油や金などの第1次産業だけでなく、その他の産業も発展していることから成長が見込まれている。エネルギーセクターにおける持続的な財政運営への移行を目指す「エネルギーセクター復興計画(ESRP)」や、国内の郡に少なくとも1つの工場を誘致して雇用を創出することを目指す「1郡1工場(1D1F)」イニシアチブが注目されている。

(小林淳平)

(アフリカ、エジプト、モロッコ、南アフリカ共和国、ルワンダ、ガーナ)

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