22回目の緊急事態宣言延長、ワクチン接種率は54.2%に達する

(ペルー)

リマ発

2021年11月04日

ペルー首相府(PCM)は10月29日、10月末を期日としていた緊急事態宣言を11月末まで延長する大統領令第167-2021-PCM号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発令した。また同大統領令により、11月1日から14日までの新型コロナウイルスの新たな地域別感染警戒レベルの指定を行った。前回まで全地域が最も低い警戒レベルだったのに対して、今回は2週間以上にわたって感染者と入院者の増加が確認された中部フニン州のチャンチャマージョ県、南部イカ州のチンチャ県、北部ピウラ州のスジャーナ県の3県が、4段階中3番目に警戒レベルの高い「上級警戒レベル」に指定された。このため、同3県における強制外出禁止令(戒厳令)は全日、午後11時から翌午前4時までの5時間となる。その他の地域は引き続き最も低い「中級警戒レベル」に指定されている(各種規制内容は添付資料表参照)。

入国規制については、搭乗14日以前までのワクチン接種完了証明の提示と保健省(MINSA)サイトにおける症状や滞在先に関する宣誓供述書の事前登録や、機内での二重マスクの着用が求められる。ワクチン接種未完了の場合は、引き続き12歳以上は出発地における搭乗72時間以内のPCR検査陰性証明書が必要となり、11歳以下の場合は無症状であれば搭乗および入国が認められる。なお、ペルー到着時に症状がある場合は、例外なく14日間の自主隔離が求められる。また、南アフリカ共和国からの非居住者の入国は引き続き禁止されており、同国からの乗り入れ便についても運輸通信省(MTC)は同省省令第1093-2021-MTC/01号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにおいて、11月1日から30日まで禁止する措置を継続している。

MINSAの11月1日プレスリリース第734号によると、新型コロナウイルスによる累計感染者数は220万2,189人、累計死者数20万276人に上っているが、1日当たりの新規感染者数(7日間平均)は393人、ICU(集中治療室)病床占有率54.8%と大幅な改善傾向にある。一方で、2021年42週目(10月第4週)時点での国立保健研究所(INS)による検体検査統計での変異株の割合はデルタ株が91.59%、ガンマ株3.74%、ラムダ株2.8%、ミュー株1.87%となっており、政府は第3波を警戒しつつ居住者のワクチン接種を急いでいる。なお、ワクチン接種完了者の割合(接種対象者2,802万4,254人)は54.2%(11月2日時点)に達している。

(設楽隆裕)

(ペルー)

ビジネス短信 64782cb67963868d