大統領選で右派と左派の2候補が12月の決選投票へ、下院選では中道勢力が敗北

(チリ)

サンティアゴ発

2021年11月24日

チリで11月22日、大統領選挙が行われた。いずれの候補者も当選に必要な過半数を獲得できなかったため、最多票の右派連合(Frente Social Cristiano)のホセ・アントニオ・カスト氏(得票率:27.91%)と、左派連合(Apruebo Dignidad)のガブリエル・ボリッチ氏(25.83%)の2人が12月19日の決選投票に進むこととなった(添付資料表参照)。投票数は有権者の47.34%に相当する711万5,590票(開票率99.9%)にとどまり、2020年10月に行われた新憲法制定の是非を問う国民投票(756万9,082票、投票率50.95%)には及ばなかった。

大統領選挙と同日程で、上院、州議会選挙に加えて、下院選挙も定数155をめぐって実施されたが、大統領選の決選投票に進む2人の所属連合が議席を伸ばす結果となった。チリ選挙管理庁の暫定発表によると、カスト氏率いる右派連合は、前回の2017年選挙時のゼロ議席から一転、今回は15議席を獲得し、ボリッチ氏率いる左派連合は37議席を獲得した。また、事前の世論調査では支持率が振るわなかったものの、大統領選で3位となったフランコ・パリシ氏の所属する右派の人民党(PDG)も、前選挙時のゼロ議席から6議席を獲得する結果となった。一方で、ここ16年間交互に政権を担ってきた中道右派と中道左派は振るわず、特に現政権を担う中道右派連合は前回選挙に比べ、獲得議席数を72から53へ減らしている。

(岡戸美澪)

(チリ)

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