鉄鋼輸入の承認申請方法など変更も、運用状況に要注意

(インドネシア)

ジャカルタ発

2021年11月24日

インドネシアの商業大臣規程2021年第20号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが11月15日から施行されたことにより(2021年11月10日記事参照)、鉄鋼および鉄鋼製品の輸入規制も改正された。

鉄鋼の輸入承認(SPI)を取得したい場合、輸入者はこれまで商業省のオンラインシステム「INATRADE」から申請を行っていたが、同規程により、申請はインドネシア・ナショナル・シングル・ウィンドウ(SINSW)から行うよう変更された。しかし、11月18日現在、システム上の問題でSINSWから申請できない状況だ。この状態が続けば、出荷の一時停止などに伴う多額の追加費用発生、客先への納品遅れなどによる経済的損失を懸念するとの声が複数の日系企業から上がっており、注視が必要だ。

同規程第9条では、商業省は、輸入者が申請した商品の収支に基づき承認を与えることを定めているが、承認の具体的な基準は明らかにされていない。2020年以来、同省への申請がなかなか承認されなかったり、申請数量が大幅にカットされて承認されたりしたというケースが当地の日系企業から頻繁に聞かれることから、同省がどんな指標を基に承認数量を決めるのか注視する必要がある。

また、輸入承認の適用除外規定について、今回の見直しによって対象が変更された点にも留意が必要だ。例えば、これまでは1回の鉄鋼輸入量が1トン未満の場合、年5回までは輸入承認が不要だったが、今回の見直しにより「製造業者輸入ライセンス(API-P)保有者が1回1トン未満の鉄鋼を輸入する場合、年5回までは適用除外」と定められた。ただし、この定めは「事業目的以外で輸入する物品」であることを前提とする。この点を含め、具体的にどんな取引が「事業目的以外」と見なされるのか、商業省へ解釈の確認を要する。

輸入承認の適用除外となる物品のうち、鉄鋼関係については添付資料表を参照。

(中沢稔、佐々木新平)

(インドネシア)

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