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欧州委、森林破壊防止のためのデューディリジェンス義務化規則案を発表

(EU)

ブリュッセル発

2021年11月19日

欧州委員会は11月17日、欧州グリーン・ディールの一環として、森林破壊防止を目的としたデューディリジェンス義務化規則案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。同規則案は、地球温暖化や生物多様性の喪失の主たる原因とされている商品作物用農地の拡大に伴う森林破壊を防止することを目的としている。EUはそうした商品作物の主要な消費地であることから、EUに供給される商品作物には森林破壊防止の規制が必要としている。

デューディリジェンスの対象となるのは、大豆、牛肉、パーム油、木材、カカオ、コーヒー、付属書Iに規定された対象産品を原料とする皮革、チョコレート、家具などの派生製品外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。これらの対象産品をEU市場に供給する業者は、対象産品をEU市場へ供給する前に、その産品が2020年12月31日以降の森林破壊によって開発された農地で生産されていないこと(「森林破壊フリー」)と、生産国の法令を順守していることを確認するためのデューディリジェンスを実施し、管轄する加盟国当局にデューディリジェンス報告書を届け出る必要がある。EU域外で設立された業者が対象産品をEU市場に供給する場合は、その産品をEU域内で最初に購入・所持するEU域内で設立された業者がデューディリジェンスの実施義務を負うことになる。

デューディリジェンスで求められる内容は、(1)対象産品が生産された全ての土地の緯度や経度を含む位置情報や生産日、森林破壊フリー・法令順守を証明するための情報などの収集、(2)収集情報に基づく森林破壊フリー・法令順守の各要件の不適合リスクの評価、(3)リスク評価により不適合リスクが確認された場合、不適合リスクを軽微なものにするためのリスク緩和措置の実施だ。森林破壊フリー・法令順守の各要件に不適合の場合、デューディリジェンスにより無視できない不適合リスクがあると判明した場合、あるいはデューディリジェンスを完了することができない場合は、対象産品をEU市場に供給することはできない。加盟国当局は、供給業者が同規則案上の義務を履行していることや、EU市場の対象産品が森林破壊フリー・法令順守などの要件に合致しているか検査を実施する。

同規則案は、対象産品の原産国および原産国内の一部地域を不適合リスクの度合いに応じて分類するベンチマーク制度も導入する。同規則案の施行時に原産国・地域を一律で「標準リスク」に分類した上で、欧州委は必要に応じて特定の原産国・地域を「低リスク」あるいは「高リスク」に認定する。低リスクに認定された原産国・地域から対象産品を供給する場合は、デューディリジェンス義務におけるリスク評価・緩和措置の実施が免除される。また、高リスクに認定された原産国・地域から対象産品を供給する業者に対しては、管轄する加盟国当局による検査が強化される。

同規則案は今後、EU理事会(閣僚理事会)と欧州議会で審議される。

(吉沼啓介)

(EU)

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