2022年のCOP27、エジプト開催が決定、途上国への気候変動対策援助を要請

(エジプト)

カイロ発

2021年11月22日

エジプト環境省PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は11月11日、2022年の国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)をエジプトのシャルム・エル・シェイクで開催すると公表した。10~11月上旬に英国で開催されたCOP26で公式に選出された。

エジプトのエルシーシ大統領は11月1日、COP26で、再生可能エネルギーの発電比率を現在の約20%から、2035年までに42%へ引き上げることを表明した。また、これらの取り組みと並行して、地下鉄の延伸や、電気自動車(EV)の普及などによるクリーンな輸送と持続可能な都市開発を進めることも表明した。

一方、エルシーシ大統領は、アフリカは温室効果ガス(GHG)排出が少ないにもかかわらず、気候変動の影響を大きく受けていると主張。発展途上国の気候変動対策は、排出量の大きい先進国からの援助額や支援内容によると強調し、先進国から途上国への毎年1,000億ドルの援助を求めた。エジプトでも、海面上昇によって主要な農業地域である地中海沿岸のナイルデルタへの海水侵入が懸念されている。

近年、エジプト政府は国際機関の協力の下で再生可能エネルギーなどに積極的に取り組んでおり、2020年9月には中東・北アフリカ地域で初となるグリーンボンド(環境債)を発行し、約7億5,000万ドルを調達した。世界最大級の太陽光発電プロジェクト(ベンバン・ソーラーパーク)は欧州復興開発銀行(EBRD)が支援しているほか、日本の国際協力機構(JICA)も太陽光や風力発電を支援し、外国企業からの投資も積極的に受け入れている。日本企業では、豊田通商が風力発電事業を行うほか、三菱商事が受注したカイロ地下鉄4号線建設も進むなど、ビジネスチャンスともなっている。

(井澤壌士)

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