フェルガナ盆地の3州、農業地帯ながら繊維や自動車産業が集積

(ウズベキスタン、日本)

欧州ロシアCIS課

2021年11月02日

ウズベキスタン東部のフェルガナ盆地にあるフェルガナ州PDFファイル(455KB)アンディジャン州PDFファイル(454KB)ナマンガン州PDFファイル(448KB)。ここは中央アジアで最も人口密度の高い地域の1つだ。大陸性気候だが、冬は比較的暖かく、灌漑用水路が発達し重要な農業地帯となっている。ジェトロとウズベキスタン投資貿易省は10月28日、ウズベキスタン・フェルガナ州・アンディジャン州・ナマンガン州経済・投資ウェビナーを共催した。

ジェトロ・タシケント事務所の髙橋淳所長はこの3州について、a.農業地帯だが、観光や伝統産業、食品、繊維、自動車など幅広い業種がある、b.自動車産業はロシアや欧州系メーカーとの取引を開始、c.綿花栽培から製品生産まで行う繊維クラスターがある、d.食品加工技術を高めて高付加価値商品の輸出を目指している、e.幅広い産業があるため、投資案件数が多い、f.都市周辺で新しい居住区開発が始まり、外国資本も積極的に参加、g.日系企業の投資事例や日本向け人材の送り出し事業もあると述べた。

フェルガナ州のイクボルジョン・エルガシェフ副知事は、コーカンド自由経済区(FEZ)は96件のプロジェクトが進行中で、生産開始した51社の全てが輸出に取り組んでいると説明した。アンディジャン州外国投資部のムハンマドホキム・ソビロフ部長は、州内には製造企業が6,954社あって全国工業生産の8%を占めており、医薬品製造に特化したアンディジャン・ファルムFEZがあると述べた。ナマンガン州外国投資課のイリョスベク・ユラエフ課長は、FEZでは国外からの投資が順調に増加し、103件のプロジェクトが進行中で、ロシアや中国、トルコ、韓国などからの投資が多いと語った。

ビザに関する質問に対し、フェルガナ州のエルガシェフ副知事は、a.タジキスタンの入国ビザを持っていれば、フェルガナからタジキスタンにバスで入国できる、b.中央アジア諸国で出入国ができる「シルクビザ」導入の議論は進捗してないと回答した。

アンディジャン州の居住区開発事業や近郊のレンタル工場の有無に関する質問には、ソビロフ外国投資部長が、a.開発事業は4,000ヘクタールに31万人の居住を想定しており、2023年からはスマートシティー構想に基づく街づくりを進める、b.近郊のレンタル工場は見学も可能で、投資関心企業は州政府が全面的に支援するとした。

ナマンガン州で特に繊維産業が発達している理由を問われると、ユラエフ外国投資課長は、繊維産業は祖先から引き継いできた産業で、この地域に技能の高い人たちが集まっていると回答。また、外国企業の居住区開発事業参入については、インドだけでなく中国、パキスタン、ドイツなども参画して建設分野が活発に動いていると述べた。

写真 フェルガナ州イクボルジョン・エルガシェフ副知事(左上)、アンディジャン州外国投資部ムハンマドホキム・ソビロフ部長(右上)、ナマンガン州外国投資課イリョスベク・ユラエフ課長(左下)、ジェトロ・タシケント事務所髙橋淳所長(右下)(ジェトロ撮影)

フェルガナ州イクボルジョン・エルガシェフ副知事(左上)、アンディジャン州外国投資部ムハンマドホキム・ソビロフ部長(右上)、ナマンガン州外国投資課イリョスベク・ユラエフ課長(左下)、ジェトロ・タシケント事務所髙橋淳所長(右下)(ジェトロ撮影)

(今津恵保)

(ウズベキスタン、日本)

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