電力不足解消へ無認可暗号資産マイニング業者を規制

(カザフスタン)

タシケント発

2021年11月17日

カザフスタンのマグズム・ミルザガリエフ・エネルギー相は11月10日、エネルギー省で行われた暗号資産マイニング(採掘)業者への電力供給に関する会合の中で、国内の電力不足に対応するため、無認可マイニング業者への規制を強化することを明らかにした(同省ウェブサイト11月10日)。

カザフスタンでの暗号資産マイニングは中国からの業者移転(2021年6月28日記事参照)により急速にシェアを拡大した。世界のマイニングに占めるシェアは6月には8.8%だったが、7月13.8%、8月には18.1%となり、米国に次ぐ世界第2位となった(ケンブリッジ大学オルタナティブ・ファイナンスセンター)。

マイニングには高度な処理能力を持つコンピュータが必要で、大量の電力を消費する。このため、国内の電力消費量も急増しており、過去1年間の全国電力消費量の伸びは7%を超え、電力価格上昇や一部地域での停電を招く原因となっている。エネルギー省は計画的な電力供給のため、暗号資産マイニング業者の3割を占めるといわれる無認可業者に認可を受けるよう促す一方、無認可業者への電力供給を禁止する構えだ。

10日の会合でミルザガリエフ・エネルギー相は、カザフスタン政府は今後も暗号資産マイニングを重要な産業と位置付け、公認業者への電力供給を保証していくが、国家のエネルギー安全保障に影響が及ばないことが前提だと強調した。

(増島繁延)

(カザフスタン)

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