先進国・地域からみる米社会・政治、技術力やエンタメで高評価、米シンクタンク調査

(米国、カナダ、ベルギー、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、スペイン、スウェーデン、英国、オーストラリア、日本、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾)

米州課

2021年11月08日

米国のシンクタンク、ピュー・リサーチ・センターは11月1日、先進国・地域における米国の社会や政治の見方に関する意識調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注1)を発表した。

技術力、エンターテインメント、軍隊、大学、生活水準、ヘルスケアシステムの6項目で、米国について最高、平均以上、平均、平均以下、最悪の5段階で評価している。技術力、エンターテインメント、軍隊、大学は、最高と平均以上の合計で、それぞれ72%、71%、69%、59%と高い評価だったが、生活水準、ヘルスケアシステムはそれぞれ33%、11%と低かった。特にヘルスケアシステムでは、平均以下と最悪の合計が66%と厳しい評価だった(注2)。

民主主義のモデルとして米国をどうみるかについては、「かつては民主主義の見本だったが、最近はそうでない」との見方が先進国・地域の中央値で57%と主流を占めている。割合が高かったのは、韓国(73%)、カナダ(69%)、日本(67%)、シンガポール(66%)だった。

また、米国では国民の自由が保障されているという見方が大半で、先進国・地域の中央値は60%だった。しかし、民族や人種による差別の問題が深刻とみる割合は高く、先進国・地域の中央値は89%だった。

米国では高齢者ほど自国評価が高い傾向

米国での年齢層別の社会・政治の見方の分析結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、65歳以上と18~29歳で最高と平均以上の割合の差をみると、生活水準では65歳以上が24ポイント高く(65歳以上:63%、18~29歳:39%)、ヘルスケアが20ポイント(41%、21%)、技術力が19ポイント(74%、55%)、軍隊が15ポイント(85%、70%)、大学が7ポイント(49%、42%)それぞれ高かった。一方、エンターテインメントは18~29歳が75%で、65歳以上(58%)を17ポイント上回った。

支持政党別では、生活水準、ヘルスケアシステム、軍隊、技術力で共和党支持者の最高と平均以上の合計が民主党支持者を上回り、エンターテインメント、大学では、民主党支持者が共和党支持者を上回った(注3)。

(注1)実施時期は2021年3月12日~5月26日。対象者はカナダ、ベルギー、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、スペイン、スウェーデン、英国、オーストラリア、日本、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾の成人1万6,254人。米国では実施時期が2021年2月1~7日、対象者は成人2,596人。

(注2)軍隊、エンターテインメント、技術力、生活水準、大学、ヘルスケアシステムの各項目で米国民の自国の評価(最高および平均以上の合計)は、それぞれ78%、68%、64%、51%、47%、31%。

(注3)生活水準(共和党支持者:65%、民主党支持者:40%)、ヘルスケアシステム(43%、21%)、軍隊(87%、75%)、技術力(66%、64%)、大学(45%、51%)、エンターテインメント(64%、74%)。

(松岡智恵子)

(米国、カナダ、ベルギー、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、スペイン、スウェーデン、英国、オーストラリア、日本、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾)

ビジネス短信 2f1e82a53abf2621