第3四半期のGDP成長率は前年同期比マイナス0.3%

(タイ)

バンコク発

2021年11月18日

タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)は11月15日、2021年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公表した。GDP成長率は前年同期比マイナス0.3%となり、第2四半期(7.6%)からマイナス成長に転じた。四半期のGDP成長率がマイナスになるのは2四半期ぶり。

需要項目別でみると、個人消費支出は前年同期比3.2%減で、第2四半期(4.8%増)からマイナスになった。新型コロナウイルスの感染拡大、政府の講ずる措置の影響から、経済活動、雇用、消費者心理などが悪化し、消費者の消費行動が慎重になったことが要因という。他方、政府消費支出は2.5%増と第2四半期(1.0%増)に引き続き拡大。現物社会移転の増加などがプラスに寄与した。

総固定資本形成は、前年同期比0.4%減で第2四半期(7.6%増)からマイナスに転じた。うち、民間投資が2.6%増と第2四半期(9.2%増)から鈍化。特に機械設備投資が3.7%増と、第2四半期(12.2%増)から減速した。車両設備投資の減少などが響いたことが要因とみられる。また、政府投資も6.0%減と第2四半期(4.1%増)からマイナスになった。建設投資は9.5%減で第2四半期(9.7%増)から大きく低下した。運輸省などの土地および建築物への支払いが減少したことが一因。

物品輸出額は、前年同期比12.3%増と第2四半期(30.7%増)から引き続き拡大。主にコメ、ゴム、タピオカなどの主要農産物や、乗用車、ピックアップトラック、自動車部品などを中心に拡大した。

2022年の実質GDP成長率を3.5~4.5%と予測

また、NESDCは、2021年の実質GDP成長率見通しについて1.2%、2022年を3.5~4.5%と予測した。新型コロナワクチン接種率の上昇などによる国内需要の回復、外国人観光客の往来再開による観光業の回復、輸出セクターも引き続き好調を維持する、などとの見通しからプラス成長を予測した。

(岡本泰)

(タイ)

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