政府が特殊鋼分野の生産連動型優遇策(PLI)承認

(インド)

ニューデリー発

2021年11月04日

インド政府は10月20日、特殊鋼分野の生産連動型優遇策(PLI)のガイドラインを新たに発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。対象となるのは、コーティング・メッキ鋼製品、高強度・耐摩耗鋼、特殊レール、合金鋼製品および鋼線、電磁鋼の5種類。優遇期間は原則として2022年度から5年間だが、予算配分によっては、種類の一部について開始年度を最長2年間延期とする可能性もある。

PLIは、国内の製造拠点の強化・拡充を目的とし、特定の産業を対象に5年間、対象売上高の一定割合を補助するスキームだ。各分野の適用要件や申請方法、期限などは分野ごとに所轄省庁が異なり、原則として各省庁に割り当てられた予算の範囲内で実施される。

政府は、今回の特殊鋼分野のPLIにより、今後7年間で総額632億2,000万ルピー(約948億3,000万円、1ルピー=約1.5円)相当の補助金を供与する計画だ。政府としては、輸入に頼っている2兆5,000億ルピー相当の特殊鋼を国内生産に切り替え、同製品の輸出量を現在の170万トンから550万トンにまで増加させたい考えだ。「自立したインド」を目指す政府は、特殊鋼を自動車だけでなく防衛や宇宙、電力など各種主要産業で使用する戦略的な製品として位置づけている。

直近では、9月8日の繊維分野、9月15日の自動車・ドローン分野のPLIが承認されている(2021年9月24日記事参照)。今回の発表で、PLI対象の全13分野のうち半数以上の分野で既にガイドラインが公表されたことになる。

(高際晃平)

(インド)

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