米商務省、「脳」関連の新興技術の輸出管理に関するパブコメを募集
(米国)
ニューヨーク発
2021年10月26日
米国商務省産業安全保障局(BIS)は10月26日、特定のブレイン・コンピュータ・インターフェイス(BCI)関連の新興技術の輸出管理に関する規則制定案告示(ANPRM)を官報で発表した。BCI技術を輸出管理対象に指定すべきかを検討するに当たって、同技術が米国の安全保障に与える影響や、輸出管理を行う場合の効果的かつ適切な範囲などに関して12月10日までパブリックコメントを募集する(注)。
BCIとは、人間の脳と外界(外部機器など)との間での、情報の直接的な入出力を可能とする技術となる。疾患などによる身体的な障害の克服などを目的に研究が進められてきており、研究開発面では米国が世界を牽引している。BISは、輸出管理の根拠法となる輸出管理改革法(ECRA)が成立した2018年11月に、新興技術として管理対象に指定し得る14の技術分野(BCIも含む)を例示した上で、産業界などからパブリックコメントを募集していた(2018年11月22日記事参照)。
今回の官報によると、BCI関連では13のコメントが当時提出されており、いずれも米国のみが厳格な輸出管理を行った場合に、研究開発で他国に後れを取ることなど、負の側面が強調されていたとしている。他方でBISは、BCI技術は軍事用途に使われる潜在性があるとして、パブコメを募集するに至ったとしている。BISは、他国と比べた米国におけるBCI技術の開発度合いや、広く商業用として普及する前に米政府が取るべき政策、制定すべき規制・標準、多国間での輸出管理の是非などに関するコメントを重点的に求めるとしている。
(注)連邦政府ポータルサイト(ドケット番号:BIS-2021-0032)へのオンライン提出もしくは、PublicComments@bis.doc.gov(タイトルにRIN 0694-AI41を含む)宛てにEメールでの提出が可能。
(磯部真一)
(米国)
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